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平方剰余記号(ルジャンドル記号)と不変式環の公式(Molienの公式)の特殊値

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準備

pは奇素数
lpと互いに素な整数
(lp)はルジャンドル記号
exp(2πi/p)=ζp

Zl=(ζp00ζpl)
Gl<Zl>
GlZlが行列積に関して生成する群

本題

Molienの公式

f(x,y)=f(ζpx,ζply)となる、n次斉次多項式の次元をdimC[x,y]nGlとしたとき、
Hl(t)=1|Gl|gGl1det(E2tg)=n=0dimC[x,y]nGltn
E22次単位行列

Molien's formula

結果

(lp)=(1)p24+Hl(1)Hl(1)=1|Gl|gGl1det(E2+g)=1pk=0p11ζplk+11ζpk+1

証明(長い)

まず ガウスの補題 (数論) を用いいます。
S={kFp|1kp12}
sl=|lSS|
(lp)=(1)sl

slを以下計算していきます。

次のような演算<>を線形に拡張しローラン多項式環上で定義します

<xa,xb>={1   ab  mod p0   

すると
sl=<k=1p12xlk,j=1p12xj>=j=1p12<k=1p12xlk,xj>

<xa,xb>=<xab,1>より、
sl=<k=1p12xlkj=1p12xj,1>
この式より
k=1p12xlkj=1p12xj=xlp+12xlxl1xp+12xx1xp1で割ったあまりの定数項がsl

これを書き換えると、
k(x)を次数p1以下の多項式とする。
xlp+12xlxl1xp+12xx1=g(x)(xp1)+k(x)
sl=k(0)
となる。
以下k(x)をラグランジュ補間を用いて計算する。
ラグランジュ補間
k(x)=(p12)2xp1x11p+k=1p1ζpklp+12ζplkζplk1ζpkp+12ζpkζpk1xp1xζpk1pζpk(p1)k(0)=1p(p12)2+1pk=1p1ζpklp+12ζplkζplk1ζpkp+12ζpkζpk1
k(0)の値はζp2乗しても変わらない
k(0)=1p(p12)2+1pk=1p1ζp2klp+12ζp2lkζp2lk1ζp2kp+12ζp2kζp2k1=1p(p12)2+1pk=1p1ζpklζp2lkζp2lk1ζpkζp2kζp2k1=1p(p22p+14)+1pk=1p1ζpkl1ζplk(ζplk1)(ζplk+1)ζpk1ζpk(ζpk1)(ζpk+1)=1p(p22p+14)+1pk=1p11ζplk+11ζpk+1=1p(p22p+14)14p+1pk=0p11ζplk+11ζpk+1=p24+Hl(1)

(lp)=(1)sl=(1)k(0)=(1)p24+Hl(1)
証明終

今後の課題

1 証明が長い
2 不変式論と平方剰余記号との関係性が不明瞭
3 p24は何を意味するのか?
4 今回は2次の可約表現に意味があったが、より高次の表現に意味はあるのか?
5 pが合成数の場合
6 高次冪剰余記号との関係
7 lpと互いに素でない場合

投稿日:2021104
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