今日は複素対数関数のちょっとしたテクニックを紹介します。
対数は主値を取ります。
$z=re^{i\theta}$に於いて、
$\displaystyle\log z=\log r+i\theta$
ここで$z=a+bi$とすると、$\displaystyle r=\sqrt{a^2+b^2},\theta=\tan^{-1}\frac{b}{a}$
よって
$\displaystyle\log(a+bi)=\frac{1}{2}\log(a^2+b^2)+i\tan^{-1}\frac{b}{a}$
$\displaystyle\Leftrightarrow s\log(a+bi)=\frac{1}{2}s\log(a^2+b^2)+is\tan^{-1}\frac{b}{a}$
両辺に$\exp{}$をつけると
$\displaystyle\Leftrightarrow(a+bi)^s=(a^2+b^2)^{s/2}\exp\left(is\tan^{-1}\frac{b}{a}\right)$
$\displaystyle\therefore\Re(a+bi)^s=(a^2+b^2)^{s/2}\cos\left(s\tan^{-1}\frac{b}{a}\right)$
$\displaystyle\therefore\Im(a+bi)^s=(a^2+b^2)^{s/2}\sin\left(s\tan^{-1}\frac{b}{a}\right)$
このようにして複素数の実数乗の実部と虚部が簡単に分かりました。
ですから複素数にルートのついた数の実部、虚部などでも容易く求めることができます。
これを僕は複素積分3,8,9で使っています。
また、今回は関係ありませんが、
$\displaystyle\log(a^2+b^2)=2\Re\log(a+bi)$
$\displaystyle\tan^{-1}\frac{b}{a}=\Im\log(a+bi)$と変形して式を簡単にすることもできます。
これらは複素積分6,10、積分解説2で使っています。
解説は以上になります。ありがとうございました。