次の定理は置換積分とか積分の変数変換公式と呼ばれ,定積分の計算においてしばしば強力な道具となります:
1変数の変数変換公式
関数 の変数 を,微分可能な全単射 によって と変換するとき,次の等式が成り立つ:
右辺の絶対値は, が単調減少の場合(このとき かつ となる)の符号を調整するものです.
多変数関数の場合にも,同様に変数変換の公式が存在します.変数系 を変数系 へと変換する場合,しばしば のそれぞれが の関数,すなわち
のように変換されることになりますから,定理1での調整部分( の部分)はもう少し複雑になります.
多変数の変数変換公式
2変数関数 の変数系 を,性質の良い(詳細は省きます)変数変換 によって , と変換するとき,次の等式が成り立つ:
ただしここで はヤコビ行列式(ヤコビアン)を表す.