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Riemann–Lebesgueの定理

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数学演習の際に発表したRiemann–Lebesgueの定理の証明で、試しに記事を書いてみたいと思います。

まず準備としてBesselの不等式を示します。

Besselの不等式

$(V,\cdot \bullet \cdot)$を計量ベクトル空間、$\lbrace x_n \rbrace^N_{n=1}$$V$の正規直交系とする.
この時、任意の$ x\in V$に対し以下の不等式が成立する.
$$ \sum^N_{n=1} |x \bullet x_n|^2\leqq||x||^2 $$
特に$N\rightarrow \infty$で級数は収束するので、
$$ \lim_{N\rightarrow \infty}x \bullet x_N=0 $$

頑張って計算します。
$$ 0\leqq||x-\sum^N_{n=1}(x\bullet x_n)x_n||^2 =||x||^2-2\sum^N_{n=1}|x\bullet x_n|^2+\sum^N_{n=1}|x\bullet x_n|^2=||x||^2- \sum^N_{n=1}|x\bullet x_n|^2 $$

さて本題に移ります。区間$[-\pi ,\pi]$で連続な関数全体の集合$C[-\pi ,\pi]$は、内積を$f\bullet g:= \int_{-\pi}^{\pi}f(x)\overline{g(x)}dx$と定義することで、計量ベクトル空間をなします。また、$\lbrace \frac{1}{\sqrt{2\pi}}e^{inx} \rbrace _{n\in \mathbb{Z}}$$C[-\pi ,\pi]$の正規直交系の一つです。

Riemann-Lebesgueの定理

$f(x)\in C[-\pi ,\pi]$に対して、次の等式が成り立つ.
$$ \lim_{n\rightarrow\infty}\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\pi}^{\pi}f(x)e^{inx}dx=0 $$

$\lbrace \frac{1}{\sqrt{2\pi}}e^{inx} \rbrace _{n\in \mathbb{Z}}$は正規直交系なので、$\lbrace \frac{1}{\sqrt{2\pi}}e^{-inx} \rbrace _{n\in \mathbb{N}}$も正規直交系.ゆえに, 補題より
$$ \lim_{n\rightarrow\infty}\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\pi}^{\pi}f(x)e^{inx}dx=\lim_{n\rightarrow\infty}\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\pi}^{\pi}f(x)\overline{e^{-inx}}dx=0 $$

省略したところもありますが、比較的簡潔に示すことができました!

投稿日:2021118
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げの
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東大理数B3 代数幾何学を勉強しています。

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