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二次関数の凸性

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行列ARn×nを半正定値対称行列とする.このとき,二次関数
(1)f(x)=x,Ax:RnR
は凸関数である.

条件より,行列Aは半正定値であるから,任意のベクトルxRnに対して
x,Ax0
が成り立つ.いま,二点x,yRnとスカラーλ(0,1)に対して,以下が成り立つ:
0f(λx+(1λ)y)=λx+(1λ)y,A(λx+(1λ)y)=y+λ(xy),A(y+λ(xy))=y,Ay+2λxy,Ay+λ2xy,A(xy)y,Ay+2λxy,Ay+λxy,A(xy)=y,Ay+λxy,Ay+λxy,Ax=y,Ay+λy,Ay+λx,Ax=λx,Ax+(1λ)y,Ay=λf(x)+(1λ)f(y).
ここで,第4行目の等号は行列Aが対称であることよりx,Ay=y,Axゆえ成り立つ.第5行目の不等号は0<λ<1よりλ2<λであることと行列Aの半正定値性より成り立つ.したがって,式(1)で定義される関数fは凸関数である.

投稿日:20211115
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みるか
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