2
高校数学解説
文献あり

偶関数と奇関数について

613
0

はじめに

こんにちは、AGAです。
今回は偶関数と奇関数の定義と様々な性質についてまとめました。

定義

関数の偶奇

f(x)の定義域をIとする。
任意の実数xについてxI(x)Iを満たし、
任意のxIに対して

  1. f(x)=f(x)をみたすときf(x)を偶関数という
  2. f(x)=f(x)をみたすときf(x)を奇関数という

今回、定義をめんどくさくしたのは
f(x)=1xなどの定義されない点がある関数でも
定義できるようにするためです。
そのため、この定義はこの記事内でのものです。

偶関数

x2,x4,|x|,cos(x),cosh(x)

奇関数

x,x5,1x,x|x|,sin(x),sinh(x)

どちらでもないもの

x+|x|,1+x,x,ex,x!

0

f(x)=0f(x)は偶関数であり奇関数

は定義から自明
について
仮定から
f(x)=f(x)=f(x)
2f(x)=0
f(x)=0

四則演算

この節を含み、この節以降f1(x),f3(x)を奇関数、f2(x),f4(x)を偶関数とする。

  1. g1(x)=f1(x)+f2(x)はどれとも限らない
  2. g2(x)=f1(x)+f3(x)は奇関数
  3. g3(x)=f2(x)+f4(x)は偶関数
1.

f1(x)=x,f2(x)=1のときg_1(x)はどちらでもない
f1(x)=x,f2(x)=0のときg_1(x)は奇関数
f1(x)=0,f2(x)=1のときg_1(x)は偶関数

2.

g2(x)=f1(x)+f3(x)=(f1(x)+f3(x))=g2(x)

3.

g3(x)=f2(x)+f4(x)=f2(x)+f4(x)=g3(x)

g1(x)=f1(x)は奇関数
g2(x)=f2(x)は偶関数

自明

  1. g1(x)=f1(x)f2(x)は奇関数
  2. g2(x)=f1(x)f3(x)は偶関数
  3. g3(x)=f2(x)f4(x)は偶関数
1.

g1(x)=f1(x)f2(x)=f1(x)f2(x)=g1(x)

2.

g2(x)=f1(x)f3(x)=f1(x)f3(x)=g2(x)

3.

g3(x)=f2(x)f4(x)=f2(x)f4(x)=g3(x)

逆元

f1(x)0,f2(x)0のとき
1f1(x)は奇関数
1f2(x)は偶関数

自明

命題2~5

偶奇がある関数の四則演算では

合成関数

合成関数の偶奇

g(x)は任意の関数とする

  1. f1(f3(x))は奇関数
  2. f2(f1(x))は偶関数
  3. g(f2(x))は偶関数
  1. f1(f3(x))=f1(f3(x))=f1(f3(x))
  2. f2(f1(x))=f2(f1(x))=f2(f1(x))
  3. g(f2(x))=g(f2(x))

偶関数と奇関数の和

任意の関数と偶関数と奇関数の和

任意の関数g(x)は偶関数と奇関数の和で表せ、
それぞれg(x)+g(x)2,g(x)+g(x)2の一通りである

可能性

上の例からすぐいえる

一意性

f1(x)+f2(x)=f3(x)+f4(x)
f1(x)f3(x)=f4(x)f2(x)
左辺は奇関数、右辺は偶関数だから、
偶関数かつ奇関数になるので
f1(x)f3(x)=f4(x)f2(x)=0
f1(x)=f3(x),f2(x)=f4(x)
また、上の例は偶関数と奇関数の和の一例だから
上の例のみになる。

導関数

x=aで微分可能な関数f1(x),f2(x)について
x=aでも微分可能で
f1(a)=f1(a)
f2(a)=f2(a)

導関数の定義から
f1(a)=limh0f1(a+h)f1(a)h
=limh0f1(ah)+f1(a)h
=limt0(f1(ah)f1(a))t
=limt0f1(ah)f1(a)t
=f1(a)

下も同様

定積分

任意の実数tについて
ttf1(x)dx=0
ttf1(x)dx=20tf(x)dx

置換積分も用いる

ttf1(x)dx=t0f1(x)dx+0tf1(x)dx =0tf1(x)dx0tf1(x)dx=0

下も同様

参考文献

投稿日:20211123
更新日:202448
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

AAG
AAG
33
8955
抽象代数学とか好きなB1。気分屋です。 (元の名前:AGA) 厳密にテキトーにやってます。 基本検算しません。 間違いがあったら容赦なく指摘してください。

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. はじめに
  2. 定義
  3. 0
  4. 四則演算
  5. 合成関数
  6. 偶関数と奇関数の和
  7. 導関数
  8. 定積分
  9. 参考文献