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非整数階積分と随伴作用素

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前回の記事( 非整数階積分とJacobi多項式 )において, 非整数階積分から二つの作用素[a,b]+,a,b+とその特別な場合として, [a]+,a+を導入した. 内積をf,gとする. 任意のf,gについてϕf,g=f,ϕgを満たす作用素ϕϕの随伴作用素という. 内積
f,g=01f(t)g(t)ta1(1t)b1dt
を考える. まず, πa,b:=Γ(a)Γ(ba)Γ(b)として,
[a,b]+f,g=1πa,b01(t1b0txa1(tx)ba1f(x)dx)g(t)ta1(1t)b1dt=1πa,b01f(x)((1x)1bx1tab(1t)b1(tx)ba1g(t)dt)xa1(1x)b1dx
だから, [a,b]+の随伴作用素[a,b]+
[a,b]+f(x)=1πa,b(1x)1bx1tab(1t)b1(tx)ba1f(t)dt
によって定まることが分かる. これを[a,b]+と書くことにして, [a]+:=[a,1]+とする. 上の表示から, 特にπa:=πsinπaとして
[a]+f(x)=1πa0xta1(xt)af(t)dt[a]+f(x)=1πax1ta1(tx)af(t)dt
と似たような形で表されることが分かる. 次に,
a,b+f,g=1πa,b01((1t)1b01txa1(1tx)ba1f(x)dx)g(t)ta1(1t)b1dt=1πa,b01f(x)((1x)1b01xta1(1tx)ba1g(t)dt)xa1(1x)b1dx
より, a,b+の随伴作用素はa,b+に一致することが分かる. このように随伴作用素が元の作用素に一致するような作用素をHermite作用素という. ここで, 新たにa,b+f(x):=([a,b]+f)(1x)によって定義すると,
a,b+f,g=1πa,b01(t1b1t1xab(1x)b1(t+x1)ba1f(x)dx)g(t)ta1(1t)b1dt=1πa,b01f(x)(x1b1x1tab(1t)b1(t+x1)ba1g(t)dt)xa1(1x)b1dx
が成り立つので, a,b+もHermite作用素であることが分かる. 同様にa+:=a,1+と定めることにする. 前回の記事によればa,b+の固有関数となるような直交関数系はJacobi多項式
ρn(a,b)(x)=(1)n(a)nn!k=0n(n,a+b+n1)kk!(a)kxk
によって与えられる. この類似として, a,b+の固有関数となるような直交関数系を求めることが今後の研究課題である.

投稿日:2024321
更新日:2024327
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Wataru
Wataru
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超幾何関数, 直交関数, 多重ゼータ値などに興味があります

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