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非整数階積分とJacobi多項式

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まず関数fに対して積分作用素I
If(x):=0xf(t)dt
として定義する. 自然数nに対して, この作用のn乗を考えると,

Inf(x)=0<t1<<tn<xf(t1)dt1dtn=1(n1)!0x(xt)n1f(t)dt
となることから, 非整数階積分となるIの一般の複素数乗を
Iaf(x):=1Γ(a)0x(xt)a1f(t)dt
によって定義する. ここで, f(x)=xn+bとしてみると, ベータ積分になるので,
Iaxn+b=1Γ(a)0x(xt)a1tn+bdx=Γ(b+n+1)Γ(a+b+n+1)xn+a+b=Γ(b+1)Γ(a+b+1)(b+1)n(a+b+1)nxn+a+b
つまり, 本質的に多項式にPochhammer記号を付ける作用として非整数階積分を理解することができそうである. ガンマ関数などの定数倍を除いたシンプルな作用素[a,b]+
[a,b]+xn=(a)n(b)nxn
となるように
[a,b]+f(x):=Γ(b)Γ(a)Γ(ba)x1b0xta1(xt)ba1f(t)dt
によって定義することにする.

Jacobi多項式

区間(0,1)における重み関数ta1(1t)b1のJacobi多項式を
ρn(a,b)(x):=(1)n(a)nn!k=0n(n,a+b+n1)kk!(a)kxk
と定義する. 次が重要である.

以下の等式が成り立つ.
[a,c]+ρn(a,b)(x)=(a)n(c)nρn(c,a+bc)(x)
特に,
[a,b]+ρn(a,b)(x)=(1)n(a)n(b)nρn(a,b)(1x)
であり, a,b+f(x):=([a,b]+f)(1x)とすれば, ρn(a,b)a,b+の固有値(1)n(a)n(b)nの固有関数である.

まず,
[a,c]+ρn(a,b)(x)=(1)n(a)nn!k=0n(n,a+b+n1)kk!(c)kxk=(a)n(c)nρn(c,a+bc)(x)
である. よってc=bとして, Jacobi多項式の対称性 ρn(a,b)(x)=(1)nρn(b,a)(1x)を用いればよい.

(a,b)類似

ρn(a,b)(x)b=1の場合はa-Legendre多項式として解釈できた. ( Legendre多項式の変数付きの拡張について ) 上の定理において, b=1として, 記号[a]+:=[a,1]+,a+:=a,1+,[a]n:=(a)nn!とすれば, a+ρn(a)(x)=(1)n[a]nρn(a)(x)が成り立つ. 上の定理は, a-Legendre多項式の[a]nをさらに(a)n(b)nに置き換えたもの(これを(a,b)類似ということにする)としてJacobi多項式が得られることを意味している. つまり, Jacobi多項式を(a,b)-Legendre多項式として解釈することができるということである. このような観点によってa類似を(a,b)類似に一般化していくとどうなるのかを考えていくとどうなるのかについても考えていきたいと思った.

投稿日:2024321
更新日:2024321
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Wataru
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超幾何関数, 直交関数, 多重ゼータ値などに興味があります

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