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連載 グラフアートを描こう 第1回 座標と点

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※記事内の画像は全てDesmosのスクリーンショットです。

イントロダクション

こんにちは! Nayuta Itoです。
この連載では、グラフアートがどのようにして作られるかを順を追って解説します。
今回は第1回目ということで、座標と点について説明します。
知っている方も多いと思いますが、こんな感じでやっていきますよ、という雰囲気だけでも掴んでいただけたら嬉しいです。

環境

この連載では、グラフアートに Desmos というサイトを使用します。作ったグラフアートを保存したい場合はアカウントが必要ですが、単にグラフを見たいだけならアカウント登録なしで使えます。

座標

座標の概念

Desmosを開くと、こんな画面が見えます。

Desmosのスクリーンショット Desmosのスクリーンショット

左から約3分の1を占める部分が数式の入力欄、それより右にある方眼紙のような部分がグラフが描画されるところです。

今回は、右側の方眼紙のような部分に注目します。この中の1点を指定するには、どうすればよいでしょうか。
太い線が交わったところに$ 0 $と書かれているので、これを基準にするのがよさそうですね。このような基準の点のことを原点といいます。
この原点から、右(左)にいくつ、上(下)にいくつ進んだところと言えば、1つの点を指定できそうです。
このようにして指定する方法を直交座標といいます。
(ガチ勢向け: 別に右と上でなくてもいいのですが、それはベクトルの話になるのでやるとしてもかなり後になります)
実は直交座標以外にももう一つ方法があるのですが、それはもっと後でやることにします。

座標の書き方

原点から「右に$ a $、上に$ b $進んだところ」の直交座標は、$ (a, b) $と表されます。また、直交座標が$ (a, b) $である点のことを点$ (a, b) $と表記することもあります。
原点から左や下に進む場合は、$ a $$ b $が負の数になります。上のスクリーンショットで、原点の左と下に負の数が並んでいることも確認してください。
一般的に、左右の位置には$ x $、上下の位置には$ y $という文字が使われます。そのため、点$ (a, b) $について、$ a $はその点の$ x $座標$ b $はその点の$ y $座標と呼ばれます。
また、原点から左右に伸びている数直線を$ x $、上下に伸びている数直線を$ y $といいます。さらに、$ x $軸と$ y $軸の総称としてという単語が使われることがあります。

具体例

では、次に示した点$ A $$ G $の座標を読み取ってみましょう。図の一番小さいマスの一辺は$ \frac{1}{2} $であることに注意してください。

点の座標の演習問題 点の座標の演習問題

  • $ A $は、原点から右に$ 2 $、上に$ 1 $進んだところにあるので、$ A $の座標は$ (2, 1) $です。
  • $ B $は、原点から右に$ 1 $、上に$ \frac{7}{2} $進んだところにあるので、$ B $の座標は$ \left(1, \frac{7}{2}\right) $です。
    • ($\TeX$ユーザ向け: カッコの中に分数があるので$\TeX$のコードではカッコの前に\leftと\rightを付ける必要があることに注意しましょう)
  • $ C $は、原点から左に$ 2 $、上に$ 3 $進んだところにあるので、$ C $の座標は$ (-2, 3) $です。
    • 左に進むので$ x $座標がマイナスになります。
  • $ D $は、原点から左に$ 1 $、下に$ 1 $進んだところにあるので、$ D $の座標は$ (-1, -1) $です。
    • 左と下に進むので$ x $座標と$ y $座標の両方がマイナスになります。
  • $ E $は、原点から左に$ 3 $進んだところにあるので、$ E $の座標は$ (-3, 0) $です。
    • 左に進むので$ x $座標がマイナスになります。
    • $ x $軸の上に乗っている点は、$ y $座標が$ 0 $になります。
  • $ F $は、原点から上に$ 1 $進んだところにあるので、$ F $の座標は$ (0, 1) $です。
    • $ y $軸の上に乗っている点は、$ x $座標が$ 0 $になります。
  • $ G $は原点です。原点からどの方向にも進んでいないので、$ G $の座標は$ (0, 0) $です。

座標は必ずしも有理数である必要はありません。例えば、次の図で示された点の座標は$ \left(\pi, -\frac{\sqrt{3}}{2}\right) $です。

点!FORMULA[66][-1399572795][0] $ \left(\pi, -\frac{\sqrt{3}}{2}\right) $

点を描く

点の座標の読み取り方が分かったところで、次は点を描いてみましょう。方眼紙を用意して、実際に点を描いてみるとより理解が深まります。$ x $座標も$ y $座標も$ -3 $以上$ 3 $以下の範囲が収まれは十分です。

では、少し多いですが、次の7つの点を描いてみてください。座標の前にある文字は点の名前です。

$$ A(-2, 4), B(3, -4), C(2, 4), D(1, 1), E\left(0, \frac{1}{2}\right), F(-1, 0), G(-2, -4) $$

描けたでしょうか。

全部の点を描くと、こんな感じに見えるはずです。

(下にスクロールしてください)

平面上に描かれた7点 平面上に描かれた7点

見事なオリオン座ですね。

もっと点を描く

次は、無限の点を描いてみましょう。もちろん実際には不可能ですが、頭の中で想像してみましょう。

$ x $座標が整数で、$ y $座標が$ 3 $の点を全部描いたら、どんなふうに見えるでしょうか。

(下にスクロールしてください)

!FORMULA[75][1400213799][0] $x\hspace{1mm}座標が整数で\hspace{1mm}y\hspace{1mm}座標が\hspace{1mm}3\hspace{1mm}の点を全部集めた$

$ \cdots, (-3, 3), (-2, 3), (-1, 3), (0, 3), (1, 3), (2, 3), (3, 3) \cdots $という点を全て集めるので、点線ができますね。

もっともっと点を描く

もっと多くの点を描いてみましょう。$ x $座標が$ 1 $の点を全部描くとどんな図形が出来上がるでしょうか。$ y $座標は整数でなくてもかまいません。

(下にスクロールしてください)

!FORMULA[80][1544742927][0] $x\hspace{1mm}座標が\hspace{1mm}1\hspace{1mm}の点を全部集めた$

最後にもう1問です。「$ x $座標と$ y $座標の値が等しい点」を全部集めたら、どんな図形になるでしょうか。

(下にスクロールしてください)

!FORMULA[83][35251343][0] $x\hspace{1mm}座標と\hspace{1mm}y\hspace{1mm}座標の値が等しい点を全部集めた$

斜めの線ができます。これがみなさんおなじみ、$ y = x $のグラフです。

次回予告

連載 グラフアートを描こう 第2回 は、「グラフって何?」です。

投稿日:2021124
OptHub AI Competition

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