Math Advent Calenderの12/7です!
ちょっと前に主に電車の中で書きました!
ウソ書いてたらごめんなさい.
Lebesgue 積分論と書いたのですが,Lebesgue積分論というのは,”Lebesgue積分”論なのか、Lebesgue(式)”積分論”なのか,どっちか分からぬでしょう.今回は、Lebesgue(式)”積分論”のつもりです.まず,このへんの名前のややこしさに物申したい(
”Lebesgue積分”の話からいきましょう.このLebesgue積分というのは,(広義積分ではない)Riemann積分を真に含む,ものによっては微分積分の教科書の後ろらへんに書いてあるアレです.もちろんこれは,
一方で、Lebesgue(式)”積分論”で扱われるのは,”Lebesgue積分”をも含む一般の積分の理論で,この、Lebesgue(式)”積分論”の例としては,Lebesgue-Stieltjes積分も,
まあVan HalenのVanhalenとか、Bon JoviのBonjoviみたいなやつです.
勘の良い人はここでなんとなく気がついたでしょうが,距離空間の話とある種パラレルである訳です.距離空間の重要な例としてユークリッド距離があります.そして,おそらく高校数学くらいまでだと,単に距離という言葉でユークリッド距離を表していたと思います.しかし,集合位相の教科書を読んで,距離というのは,距離の公理を満たしてさえいればなんでも良い.ただし,その中に重要な例としてユークリッド距離があると理解する訳です.
位相空間論の勉強をしている時には,ユークリッド距離というものには十分親しんでいるのですが,Lebesgue(式)”積分論”をやっている時に,Lebesgue積分”に十分親しんでいるかというとそうでない場合が多い訳です.ここがやりにくい.
しかし,このような構成にしている理由も分かります.一般の距離空間で成り立つ命題を,わざわざユークリッド空間の場合に証明して,そのあと一般の距離空間で証明するのは,二度手間なだけだろうというのがあるからです.Lebesgue積分論をやるのはだいたい数学を専攻している人間なので,二度手間は嫌だろうということで,”Lebesgue積分”論とLebesgue”積分論”が交互に並んだ教科書が多いのだろうと思います.
Terence Taoの教科書では,まず”Lebesgue積分”論をやろうという方針なのだが,それでも収束定理は,抽象的な積分論をやった後にまとめて示しています.
まあ,そんな訳で,第一章としては,”Lebesgue積分論”というのが,何を指しているのか,その都度,定義を確認して一歩ずつ歩いていかないと現在地を見失うという注意をして終わりにしようと思います.
で,次にこれも何の話をしているかをきちんと確認しないと訳がわからなくなるよという話.一時減の場合に限って話します.
さっきLebesgue積分について,「(広義積分ではない)Riemann積分を真に含む,」などと言ったのですが,Lebesgue積分で広義積分も考えることができます.
今から少し,Riemann積分の話をするので,少し辛抱してお付き合いください.
広義積分とは次の極限で定義されます.
今回は
Lebesgue 積分に戻ります.きちんと区別できるようにLebesgue積分の場合は
という訳で,積分と極限の順序を交換できる特別な場合には右辺に一致するような左辺の積分の極限を考えることにします.Riemann広義積分
広義Riemann積分可能ならば,広義Lebesgue 積分可能である.
できることはできた訳ですが,なんだかややこしいですね.これはRiemann積分の講義積分の記号が悪いのです.Riemann積分の広義積分では
どうやら,このあたりで終わりのようです.