(無限和と積分の交換可能性などの確認はしていません...)
自然数m, 実数c0,…,c2m−1, 負の実数c2mに対して, 次の等式が成立します: ∫−∞∞exp(∑k=02mckxk)dx=ec0(−c2m)−1/(2m)m×∑(a1,…,a2m−1)∈N02m−1a1+a3+⋯+a2m−1≡0(mod.2)Γ(12m+12m∑k=12m−1kak)∏ℓ=12m−1cℓaℓ(−c2m)−ℓaℓ/(2m)aℓ!但し, N0はN∪{0}のことで, Γ(x)はガンマ関数です.
正の実数a, 非負整数n,正の整数mに対して成立する次の等式を示します: (∗)∫−∞∞xne−ax2mdx=1+(−1)n2ma−(n+1)/2mΓ(n+12m)nが奇数の場合, 被積分関数は奇関数なので0となります.nが偶数の場合は, x:0→∞の積分の2倍となるので,∫−∞∞xne−ax2mdx=(1+(−1)n)∫0∞xne−ax2mdxとしてよいことが分かります.t:=ax2mと置換すると, x=a−1/2mt1/2mであって,dx=a−1/2mt−1+1/2mdt/2mとなり,a>0を仮定しているので積分区間はt:0→∞で,∫0∞xne−ax2mdx=∫0∞a−n/2mtn/2m⋅a−1/2m2mt−1+1/2me−tdt=12ma−(n+1)/2m∫0∞t−1+(n+1)/2me−tdt=12ma−(n+1)/2mΓ(n+12m). よって,(∗)が成立します.これを用いて主張の式を証明します.
指数法則を使うと,∫−∞∞exp(∑k=02mckxk)dx=ec0∫−∞∞ec2mx2mexp(∑k=12m−1ckxk)dxとなり, 指数関数のMaclaurin展開及び,多項定理から, exp(∑k=12m−1ckxk)=∑n=0∞1n!(∑k=12m−1ckxk)n=∑n=0∞1n!∑a1+⋯+a2m−1=nn!a1!⋯a2m−1!(c1x)a1⋯(c2m−1x2m−1)a2m−1=∑(a1,…,a2m−1)∈N02m−1c1a1⋯c2m−1a2m−1a1!⋯a2m−1!xa1+2a2+⋯+(2m−1)a2m−1=∑(a1,…,a2m−1)∈N02m−1xa1+2a2+⋯+(2m−1)a2m−1∏k=12m−1ckakak となります.これを代入して, 積分と無限和の順序交換を行うと, ∫−∞∞exp(∑k=02mckxk)dx=ec0∑(a1,…,a2m−1)∈N02m−1∏k=12m−1ckakak∫−∞∞ec2mx2mxa1+2a2+⋯+(2m−1)a2m−1dx=ec0∑(a1,…,a2m−1)∈N02m−1(∏k=12m−1ckakak)1+(−1)a1+2a2+⋯+(2m−1)a2m−12m×(−c2m)−(1+a1+2a2+⋯+(2m−1)a2m−1)/2m×Γ(1+a1+2a2+⋯+(2m−1)a2m−12m) となります. ここで,途中に出てくる1+(−1)a1+2a2+⋯+(2m−1)a2m−1の部分を見ると,a1+2a2+⋯+(2m−1)a2m−1が奇数だと0になるため,これが偶数になる部分だけ取ればよく, ∑k=12m−1kak≡0 (mod.2)⟺ ∑k′=1m(2k′−1)a2k′−1+∑k″=1m−12k″a2k″≡0 (mod.2)⟺ ∑k′=1ma2k′−1≡0 (mod.2) この条件の下では,1+(−1)a1+2a2+⋯+(2m−1)a2m−1=2なので, それを適用し,総和・総乗記号を使ってまとめれば, ∫−∞∞exp(∑k=02mckxk)dx=ec0(−c2m)−1/(2m)m×∑(a1,…,a2m−1)∈N02m−1a1+a3+⋯+a2m−1≡0(mod.2)Γ(12m+12m∑k=12m−1kak)∏ℓ=12m−1cℓaℓ(−c2m)−ℓaℓ/(2m)aℓ!が分かりました.
(この記事はBloggerに載せていた Gauss積分の一般化 を書き直したものです.)
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