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Noether環の極小素idealは有限個である。

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証明が忘れがちなので備忘録として。環は単位元を含む可換環とします。

ネーター環の極小素ideal

AをNoether環,IAのidealとする。このときIを含むAの素idealの中で包含関係について極小なものは有限個しか存在しない。特に、Aの極小素idealは有限個しか存在しない。(I=0とせよ)

各idealIAに対してIを含む素idealの中で極小なもの全体の集合をm(I)で表すことにする。Γ={idealIAm(I)は無限集合である}とする。Γ=であることを示したら良い。Γだと仮定して矛盾を導く。AはNoether環であるからΓは包含関係に関して極大元を持つ。それをIとする。Iは素idealではない。(Iが素idealだとするとm(I)={I}となり、これはIΓを意味する。)よって、a,bAIabIを満たすものが存在する。このときm(I)m(I+(a))m(I+(b))が成立する。実際、Pm(I)を任意の元とすると、abIPPは素idealゆえa,bPの少なくとも一方が成立する。aPだとしても一般性は失われない。すると、I+(a)Pである。さらにPI+(a)を含む素idealの中で極小でもある。(I+(a)を含む素idealは必然的にIを含むからである。)よってPm(I+(a))となる。よってm(I)m(I+(a))m(I+(b))が成立することがわかった。m(I)は無限集合であるからm(I+(a)),m(I+(b))の少なくとも一方は無限集合となるがこれはIの極大性に矛盾する。よってΓ=である。

1年ほど前にこの命題を示した気がしたのですが、もう少し易しいやり方だったと思います。別の証明を知っている方がいたらコメント欄へお願いします。

投稿日:202216
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投稿者

B2 現在代数学(特に環論)を勉強中。 将来は群論やりたいとか思ってます。 気が向いた時に更新していく感じでいきます。

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