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大学数学基礎解説
文献あり

Dirichletの約数問題

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d(n)nの約数の個数を表し、D(x)=nxd(n)とおく。これを、約数和関数とよぶ。
座標軸a,bをとり、双曲線ab=xを考える。xは変数ではなく定数とみなしていることを注意しておく。
ab=x,a=1,b=1によって囲まれる領域Ω内の格子点を数えるとD(x)に一致する。なぜなら、d(n)ab=nとなる正の整数のペア(a,b)の個数に等しい。
n1nxの範囲で動かすと、D(x)が求まる。

Ωを以下の3つの領域に分ける。
D1={(a,b):1axxbxa}
D2={(b,a):(a,b)D1}
D3={(a,b):1a,bx}

最も簡単に求まるのはD3内の格子点であって、[x]2で求まる。
ここで[x]はガウス記号で、x以下の最大の整数を表す。
D1,D2内の格子点の個数は互いに等しく、a=1[x][xa][x]2と表すことができるので、この値を近似する式を与えよう。[xa] をほぼxaと見積もることにして、a=1[x]1a について考えよう。

n=1[x]1n=[x]x+1x[t]t2dt

n=1[x]1n=n=1[x]1n([n][n1])=1+n=1[x]1[n](1n1n+1)=
1+n=1[x]1nn+1[t]t2dt=1+1[x][t]t2dt=1+1x[t]t2dt+x[x][t]t2dt
ここで、x[x][t]t2dt=[x]x[x]dtt2=[x](1x1[x])より求める式を得る.

Euler-Mascheroni定数を、γ=11t[t]t2dxで定義する。
n=1[x]1n=[x]x+1x[t]t2dtを、Euler-Mascheroni定数を使い変形しよう。
[x]x=1+[x]xx1x[t]t2dt=1x[t]tt2dt+log(x)により、n=1[x]1n=[x]x+1x[t]t2dt=1+[x]xx+1x[t]tt2dt+log(x) =1+[x]xx+1[t]tt2dtx[t]tt2dt+log(x)
=log(x)+[x]xx+xt[t]t2dt+γ
そこで、
a=1[x]1a=12log(x)+[x]xx+xt[t]t2dt+γより、
a=1[x]xa=x2log(x)+([x]x)x+xxt[t]t2dt+γxとなる。
|xt[t]t2dt|x1t2dt=1xより、Bachmann-Landauのoを用いると、a=1[x]xa=x2log(x)+γx+o(x)と表せる。

D(x)=2a=1[x][xa][x]22a=1[x]xax2と近似すると、約数和関数について以下の近似が成り立つ。

Dirichletの近似定理

D(x)xlog(x)+(2γ1)x+o(x)

参考文献

[1]
数学セミナー編集部, 数学100の問題, 日本評論社, 1999
投稿日:2022125
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