ここでは東大数理の修士課程の院試の2025B08の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
$S(r)$を$\mathbb{R}^n$の球面
$$
S(r):=\{(x_1,\cdots,x_n)\in\mathbb{R}^n|x_1^2+\cdots+x_n^2=r^2\}
$$
とおく。また$\Omega^{k}(\mathbb{R}^n)$を$\mathbb{R}^n$上の$C^\infty$級$k$形式全体とする。以下の問いに解答しなさい。
$f:\mathbb{R}^n\to\mathbb{R}$を$C^\infty$級関数とする。このとき任意の自然数$M$について
$$
f(x)=\sum_{|\alpha|\leq M}\frac{1}{\alpha!}\frac{\partial^{|\alpha|}f}{\partial x^\alpha}(0)x^\alpha+\sum_{|\alpha|=M}h_\alpha(x)x^\alpha
$$
$$
\lim_{x\to0}h_\alpha(x)=0
$$
を満たす関数の族$(h_\alpha:\mathbb{R}^n\to\mathbb{R})_\alpha$が存在する。