10

Integrate[x^x*(1-x)^(1-x)*sin(πx),{x,0,1}]

218
0

定理1.

01xx(1x)1xsinπxdx=πe24

[証明] x=11+etとすると,dx=et(1+rt)2dtなので

I=01xx(1x)1xsinπxdx=(11+et)11+et(111+et)111+etsinπ1+etet(1+et)2du=e2t(1+et)3et1+etsinπ1+etdt=Ie2t(1+et)3eπit1+etdt

正則関数f:C{(2k+1)πi:kZ}Cf(z)=e2z(1+ez)3eπiz1+ezとし,ガウス平面上で反時計回りの長方形の経路:

C=ΓΛ1Λ2Λ3,Γ={tR:t[R,R]},Λ1={R+itC:t[0,2π]},Λ2={t+2πiC:t[R,R]},Λ3={RitC:t[2π,0]}

で積分しました(ただしR>1).C内のf(z)の孤立特異点はz=πiに限られるため,留数定理により

Cf(z)dz=2πiResz=πif(z)

Λ1について:

|IΛ1f(z)dz||Λ1f(z)dz|=|02πf(R+it)dt|=|02πe2R+2it(1+eR+it)3eπi(R+it)1+eR+itdt|02π|e2R+2it(1+eR+it)3||eπi(R+it)1+eR+it|dt02πe2R(eR1)3eRπi(R+it)1+eR+itdt=e2R(eR1)302πexp(eR(tsint+πsintRcost)Re2R+2eRcost+1)dt0(R)

Λ3について:

|IΛ3f(z)dz||Λ3f(z)dz|=|02πf(R+it)dt|=|02πe2R+2it(1+eR+it)3eπi(R+it)1+eR+itdt|02π|e2R+2it(1+eR+it)3||eπi(R+it)1+eR+it|dt02πe2R(1eR)3eRπi(R+it)1+eR+itdt=e2R(1eR)302πexp(eR(tsint+πsint+Rcost)+Re2R+2eRcost+1)dte2R(1eR)302πexp(eR(tsint+πsint+Rcost)+R(eR1)2)dt=exp(2R+R(eR1)2)(1eR)302πexp(eR(tsint+πsint+Rcost)(eR1)2)dt0(R)

Λ2について:

IΛ2f(z)dz=IRRf(t+2πi)dt=IRRe2(t+2πi)(1+et+2πi)3eπi(t+2πi)1+et+2πidt=IRRe2t(1+et)3eπit1+etdt=IRRe2t(1+et)3eπit1+etdtI(R)

以上より,

2I=I2πiResz=πif(z)=I2πie24=πe12

すなわち

I=πe24

となりました.[証明終わり]留数はWolframAlphaを使用して求めます.
 

Residueatz=0

これを拡張するにあたっては,xx(1x)1xsinπx=I(1x)exln111xと書けることから,R(11+ez)が分岐点をもたないような関数R(x)を用いて

01R(x)exp(αxpLir(1x))dx

を同様の方法で計算できるのではないでしょうか.しかし,わかりにくかったので別の方法で計算します.具体的に

f(z)=1z3exp(Li2(z)z)

として,

Γf(z)dz

について計算してみます.先ず,1xにおいて

Li2(x)=π23ln2x2Li2(1x)πilnx

が成り立ちます.複素平面上において,Li2(z)は分岐点はz=1であり,実軸上の区間[1,)で分岐截線をもつので,それを避けるように積分経路を設定したいと思います.今回は次図のように鍵穴積分路D
!FORMULA[36][1036612258][0]:中心!FORMULA[37][36151][0],半径!FORMULA[38][-1954321130][0]:中心!FORMULA[39][36151][0],半径!FORMULA[40][-1917573454][0]とします.主値の偏角は!FORMULA[41][-83283727][0]で定義します. Γ2:中心1,半径R  Γ4:中心1,半径ϵとします.主値の偏角は[0,2π)で定義します.

f(z)は孤立特異点z=0を除いてD内で正則ですので,留数定理により

Df(z)dz=Γ1f(z)dz+Γ2f(z)dz+Γ3f(z)dz+Γ4f(z)dz=2πiResz=0f(z)

となります.

Γ1f(z)dz=1+ϵRf(t)dt1f(t)dt(ϵ0,R)=11x3exp(Li2(x)x)dx=01xexp(x(π23ln2x2Li2(x)+πilnx))dx|Γ2f(z)dz|=|02πf(1+Reiθ)iReiθdθ|02πR(R1)3|exp(Li2(1+Reiθ)1+Reiθ)|dθ02πR(R1)3exp(RLi2(1+Reiθ)1+Reiθ)dθ0(R)()Γ3f(z)dz=R1+ϵ1t3exp(Li2(t)+2πilntt)dt()11t3exp(Li2(t)+2πilntt)dt(ϵ0,R)=01texp(t(π23ln2t2Li2(t)πilnt))dx|Γ4f(z)dz|=|2π0f(1+ϵeiθ)iϵeiθdθ|02πϵ(1ϵ)3exp(|Li2(1+ϵeiθ)|1ϵ)dθ0(ϵ0)

():Li2(1+Reiθ)=011t(ln(1(1+Rcosθ)t)2+(Rtsinθ)2+iarg(1(1+Reiθ)t))dt
():Li2(z+0i)Li2(z0i)=2πilogz[ イメージ図 ]
また,

Resz=0f(z)=41e288

ので,

01xexp(x(π23ln2x2Li2(x)+πilnx))dx01texp(t(π23ln2t2Li2(t)πilnt))dx=2πi41e288

整理すれば,

01xsin(πxlnx)exp(x(π23ln2x2Li2(x)))dx=41288πe

となりました.しかし,実際の数値では

01xsin(πxlnx)exp(x(π23ln2x2Li2(x)))dx=1.215726052533389755841288πe=1.2157260525333897558

符号が逆でした.ということで次の定理を主張したいと思います.

定理2.

01sin(πxln1x)exp(x(π23ln2x2Li2(x)))dx=14πe01xsin(πxln1x)exp(x(π23ln2x2Li2(x)))dx=41288πe01x2sin(πxln1x)exp(x(π23ln2x2Li2(x)))dx=1071152πe01sin(πxln1x)exp(x(π23ln2x2Li2(x)))dx=14πe01xsin(πxln1x)exp(x(π23ln2x2Li2(x)))dx=23288πe01x2sin(πxln1x)exp(x(π23ln2x2Li2(x)))dx=431152πe01sin(απxln1x)exp(αx(π23ln2x2Li2(x)))dx=πeα4α01xsin(απxln1x)exp(αx(π23ln2x2Li2(x)))dx=πeα288α(32+9α)01x2sin(απxln1x)exp(αx(π23ln2x2Li2(x)))dx=πeα1152α(72+32α+3α2)

f(z)=exp(Li2(z)z2)ではz=0での留数が出力されなかったことを考慮して,eの引数がa0+a1z+a2z2+a3z3+となる必要があるのでしょうか.これをうけて,

f(z)=1znexp(αzmp(Lir(z)k=1p1zkkr)m)

と一般化することができると思います.r=2の場合は,

定理3.

01xnsin(αxmpI(π23ln2x2Li2(x)k=1p1zkk2+πiln1x)m)exp(αxmpR(π23ln2x2Li2(x)k=1p1zkk2+πiln1x)m)dx=πResz=01znexp(αzmp(Li2(z)k=1p1zkkr)m)

となります.n=0,m=2,p=2とすれば

01sin(2παx4(π23ln2x2Li2(x)1x)ln1x)exp(αx4((π23ln2x2Li2(x)1x)2(πlnx)2))=παeα1618

となります.
 

Residueatz=i,i

f(z)=11+z2exp(Li2(z)z)のようにすれば,f(z)z=0で正則になりz=i,iでの留数を計算すればよさそうです.すなわち,

定理4.

0111+x2sin(αxmpI(π23ln2x2Li2(x)k=1p1zkk2+πiln1x)m)exp(αxmpR(π23ln2x2Li2(x)k=1p1zkk2+πiln1x)m)dx=π(Resz=i11+z2exp(αzmp(Li2(z)k=1p1zkkr)m)+Resz=i11+z2exp(αzmp(Li2(z)k=1p1zkkr)m))

となりました.m=1とし,p=1,2,3,4

0111+x2sin(παxln1x)exp(αx(π23ln2x2Li2(x)))dx=πexp(αβ(2))sinπ2α480111+x2sin(παx2ln1x)exp(αx2(π23ln2x2Li2(x)1x))dx=πexp(π2α48)sin(α(1β(2)))0111+x2sin(παx3ln1x)exp(αx3(π23ln2x2Li2(x)1x14x2))dx=πexp(α(1β(2)))sin(α4(1π212))0111+x2sin(παx4ln1x)exp(αx4(π23ln2x2Li2(x)1x14x219x3))dx=πexp(α4(1π212))sin(α(β(2)89))

となります.
 

Li3(z),Li4(z),

反射公式:Li2(x)+Li2(1x)=π23ln2x2πilnx(x1)について,Li3(x),Li4(x),でも同様の式を求めて適応することを考えてみますが,これは1xを掛けて積分することで

Li2r(x)+Li2r(1x)=k=0r2ζ(2r2k)(2k)!ln2kxπi(2r1)!ln2r1xLi2r+1(x)Li2r+1(1x)=k=0r2ζ(2r2k)(2k+1)!ln2k+1xπi(2r)!ln2rx

となります.これにより,例えば

定理5.

01sin(12παxln21x)exp(αx(Li3(x)+π23ln1x16ln31x))dx=παeα80111+x2sin(12παxln21x)exp(αx(Li3(x)+π23ln1x16ln31x))dx=πeαβ(3)sin3αζ(3)3201sin(16παxln31x)exp(αx(2ζ(4)+ζ(2)ln21x124ln41xLi4(x)))dx=παeα160111+x2sin(16παxln31x)exp(αx(2ζ(4)+ζ(2)ln21x124ln41xLi4(x)))dx=πeαβ(4)sin7π4α11520

となります.

投稿日:9日前
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