$xy$-平面$\mathbb{R}^2$の正方形
$$X=\{(x,y)\in\mathbb{R}^2|0\leq x\leq 1, 0\leq y\leq 1\}$$
上の必ずしも連続でない関数$f:X\rightarrow \mathbb{R}$をとる.$X$の$2$点$p=(x_1,y_1),q=(x_2,y_2)$について
$$d(p,q)=\sqrt{(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2+(f(p)-f(q))^2}$$
とおく.以下を証明せよ.
(1) $(X,d)$は距離空間である.
(2) $(X,d)$がコンパクトであることと,関数$f:X\rightarrow\mathbb{R}$が通常の位相($\mathbb{R}^2$の部分空間としての位相)に関して連続であることは同値である.
$X$を空でない集合とする.写像$d:X\times X\rightarrow\mathbb{R}$が次を満たすとき,$(X,d)$を距離空間という.
(1) 任意の$x,y\in X$に対して,$d(x,y)\ge 0$であり,
また,$x=y$と$d(x,y)=0$は同値である.
(2) 任意の$x,y\in X$に対して,$d(x,y)=d(y,x)$が成り立つ.
(3) 任意の$x,y,z\in X$に対して,$d(x,z)\leq d(x,y)+d(y,z)$が成り立つ.
等長写像$f:X\rightarrow Y$は連続である.
任意の$\varepsilon>0$に対して,$\delta=\varepsilon$とすれば,$d_X(p,q)<\delta\Rightarrow d_Y(f(p),f(q))<\varepsilon$が成り立つので連続.
(1)簡単なので省略.
(2)$d(p,q)=d_{\mathbb{R}^3}((p,f(p)),(q,f(q)))$である.$G_f=((p,f(p))\in\mathbb{R}^3|p\in X)$とおく.$(X,d)\cong (G_f,d_{\mathbb{R}^3})$を確かめる.$F:X\rightarrow G_f$を$F(p)=(p,f(p))$で定める.全単射であることは明らか.$F,F^{-1}$は等長写像なので連続.よって$X$と$G_f$は同相.$G_f$について考えればよい.
$f$が連続の時,$id_{(X,d_{\mathbb{R}^2})}\times f:X\times X\rightarrow G_f$も連続で,$X$は$\mathbb{R}^2$の部分空間としてコンパクトなので,連続写像の像として$G_f$はコンパクト.
逆に,$G_f$がコンパクトの時,任意の$\mathbb{R}$の閉集合$C$について,$f^{-1}(C)=\pi_1(
(G_f\cap(\mathbb{R}^2\times C)))$なので($\pi_1$は第1,2成分への射影),閉集合となり,連続であることが分かる.