有限和に関する次の事実が成り立ちます.
本質的には,左辺が
また,
冪級数展開を使った証明はtria_mathさんが記事にされているので,
そちら
を参照してもらえればいいかと思いますが,本記事では数学的帰納法を用いた初等的な別証明を書きたいと思います(
Part1
).
また応用例として,
Part2
ではAbelの恒等式と呼ばれるものの証明に使用した例も紹介します.
いきなりですが,まずは少し一般化された次の命題から証明することにします.
命題2が証明できれば,特に
(I)
となるから,
(II) ある正整数
を用いて分解すると
となるが,帰納法の仮定より,これは
となるから,
以上により,命題2が示された.
といった具合に,一般化された命題2の方から先に考えることで,帰納法を上手く使うことができました.
ちなみに,命題2の左辺も結局は
次に, Part1 で示したことを使ってAbelの恒等式というものを証明してみます.
なんとか命題2の形に持っていくために,
となり,また
も用いれば,示すべき式の左辺は
となる.二重和を交換すれば
となるが,命題2により内側の
このように,命題2を利用してAbelの恒等式を証明できました.
なお,
と変形すれば,
が得られます(これを直接,命題1や2から示すこともできます).
Abelの恒等式(や上の式)で
また,本記事では触れませんでしたが,Abelの恒等式はLambertのW関数と関係が深いようなので,気になった方は色々と調べてみると面白いと思います.
それでは,ここまでご覧いただきありがとうございました.