記号の定義
を自然数
を素数でであるものとします。
を位数の有限体
を位数の有限体
での元のノルムとします。
での元の平方剰余記号とします。
をの元で、に属さない元として、固定します。
をの元の判別式とします。
をの元を絶対値最小剰余で整数にする写像とします。
主張
の元に対して、
とを定義したとき、
平方非剰余な元
を用いて
が成り立つ。
証明
の別定義
の元をとを基底にして表すと、
(とはの元)
は一意的に定まる。
このとき、が成り立つ。
このため、
がオイラーの規準より成り立ち、
となる。
の性質1
はとが乗写像で不変であり、
がならのため、は偶数となる。
の性質2
をとしたとき、
となる、
この性質のため、
はが平方剰余か平方非剰余かにのみにより決まる。
の性質3
より
の性質4
を別の の元で、に属さない元とします。このとき、
とは平方非剰余のため、比は平方剰余な数となります。
このため、のをに変えたときは、上記を用いて、
は倍されます。
補題
でのとき、
ならば
なら
主張の証明
性質2と性質3より
次の計算に基づきを書き換える。
ならその項は、和の条件としてを課せる
をに置き換える。
なら補題より
ならをに置き換えても、和の範囲は変わらない、
のため第項は0,第項はのため、
より、
はじめの式と合わせると、
となり、主張が示された。