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余りの世界からみる, 多項式の面白い性質

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こんにちは!飛鳥です。かねてよりMathlogに寄稿することにずっと憧れていたこともあり, 大学受験が終わって一段落したので頑張って書いてみます。慣れない部分が多いですが, 最後までお付き合いくだされば嬉しいです。今回の内容は, タイトルにもある通り, 多項式と余りの関係についてです。高校数学の範囲内で, また議論を追いやすくなるよう, できるだけ簡潔にまとめて書きましたので, 是非ご一読ください!

この記事には, 等式の代わりに合同式が度々登場しますが, その法は全てpp3以上の素数)とします。また, 登場する文字は(通常は実数を表すことが多いxも含めて)基本的に整数とします。

 それでは, 早速本題に入ります。

 去年の秋頃に下の(✴︎)の方程式やそれをn次に拡げたものをいじっていたら, いくつかの面白い性質があることがわかったので, 今回はそのうちの (✴︎)において通常の2次方程式と酷似している2つの性質を紹介します。当然(?)証明も添えますが, 良かったら性質だけでも見ていってください〜😊

ax2+bx+c0()(a0)

ただし,左辺をf(x)と置くことにします。
まず, f(x)は多項式なので, abf(a)f(b)が成り立つことに注意してください。よって, f(x)pで割った余りは, xpで割った余りのみに依存することになります(これが性質1においてxの範囲を制限している由縁であり, ある意味で本質かもしれません)。

性質1

0xp1であって(✴︎)を満たす整数xの個数をNとするとN0,1,2のいずれかである。

性質2

N=1となる条件は,b24ac0である。

 これから僕の考えた証明を書きますが, 時間のある方は是非一度ご自分で考えてみてください😆

性質1の証明:

異なるα,β,γ(0α,β,γp1)についてf(α)f(β)f(γ)0が成り立つとします。このとき,
f(α)f(β)0より,
(αβ){a(α+β)+b}0
a(α+β)+b0.
また,f(β)f(γ)0より
(βγ){a(β+γ)+b}0
a(β+γ)+b0.
なお, ここで合同式における除法を用いました。
これらより, さらに辺々差をとって,
a(αγ)0
a0ゆえ,
αγ0
これは,αγに矛盾します。

よって性質1は示されました。

性質2の証明:

b2abを満たすb,cacを満たすcが存在するので, これらの記号を用いると
f(x)0ax2+2abx+ac0x2+2bx+c0(x+b)2b2c()です。
ここで, b2c0のとき, αを任意として,
x+b=αつまりx=αbのとき(✴︎)が満たされる」
x+b=αつまりx=αbのとき(✴︎)が満たされる」
が成り立ちます。(当然これは, そのようなαの存在を保証しているわけではないことに注意してください!)
上の2つの解xmodpによる違いを除いても必ず異なる(∵pは奇数)ことに注意すると, (必ずペアができるので,) Nは偶数となってしまうことがわかります。

一方, b2c0のとき,
(✴︎)xbゆえ, (✴︎)を満たすxmodpによる違いを除いて唯1つ存在します。よってN=1です。

以上よりN=1b2c04a2b24a2c0 (a0)b24ac0

かくして, 性質2は示されました。

いかがでしたでしょうか?ちなみに, 勘のいい読者は気づいたでしょうが(←), 性質1は容易に次のように一般化されます。

pを任意の素数とする。
k=0nakxk0(ak0)(modp)
を満たす整数xpで割った余りは, 高々n種類しか存在し得ない。

証明は性質1と同様のことを繰り返すだけですね。
 また, 性質2はそれ自体がすごく綺麗なので, 個人的にとても気に入っています。
 次回は, メネラウスの定理の空間への拡張の良い証明を思いついたので, それを紹介しようかなと思っています。ここまで読んでくださり, ありがとうございました!

投稿日:2022320
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飛鳥
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