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『原論』第9巻命題20

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命題IX.20

素数の個数はいかなる定められた素数の個数よりも多い。

特述

定められた個数の素数をΑ, Β, Γとせよ。Α, Β, Γより多い個数の素数があると主張する。

準一般的手法

Α,Β,Γに割り切られる最小数が取られたとし、それをΔΕとし、ΔΕに単位ΔΖが加えられたとせよ。そうすればΕΖは素数であるかないかである。
 まず素数であるとせよ。そうすればΑ,Β,Γより多い素数Α,Β,Γ,ΕΖが見いだされた。
 次にΕΖが素数でないとせよ。そうすればそれらは何らかの素数に割り切られる。素数Ηに割り切られるとせよ。ΗはΑ,Β,Γのいずれとも同じではないと主張する。もし可能ならば、同じであるとせよ。ところがΑ,Β,ΓはΔΕを割り切る。したがってΗもΔΕを割り切るであろう。ところがΕΖをも割り切る。それゆえΗは数であって残りの単位ΔΖを割り切るであろう。これは不合理である。ゆえにΗはΑ,Β,Γの一つと同じではない。そして素数であると仮定されている。したがって定められた個数のΑ,Β,Γより多い個数の素数Α,Β,Γ,Ηが見いだされた。これが証明すべきことであった。

投稿日:2020118

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