3
大学数学基礎解説
文献あり

ロドリゲスの回転公式

1176
0

3次元の回転変換をベクトルで記述する、ロドリゲスの回転公式を紹介します。なお、この内容は先日開催された 第3回すうがく徒のつどい の「四元数と回転」で話した内容の一部です。その際の 講演資料 には画像がありませんでしたが、今回は画像を作成しました。

ロドリゲスの回転公式

以下、3次元ベクトル空間R3で考えます。ベクトルxyの内積をx|yと、外積をx×yと書くことにします。

3次元空間のなかで、原点を通る回転軸の周りに回転角θだけ回転するという変換は、次のように記述できます。

ロドリゲスの回転公式

大きさ1のベクトルnがあるとします。点Xnの周りに角θだけ回転した点をXとします。Xの位置ベクトルをxXの位置ベクトルをxとするとき、次が成り立ちます。
x=cosθx+(1cosθ)n|xn+sinθ(n×x)

nは回転軸に沿う単位ベクトルです。nの周りに角θだけ回転するという操作を図で示すと、次のようになります。

回転軸の周りの回転 回転軸の周りの回転

ロドリゲスの回転公式は、回転後のベクトルxを、xnn×xの3つのベクトルの和の形で記述しています。

ロドリゲスの回転公式の証明

以下、ロドリゲスの回転公式を証明します。

まず、xnと平行な方向xと垂直な方向xに分解します。
x=x+x
このとき、x=n|xnとなります。

xも同様に分解します。
x=x+x
このとき、点Xは点Xnの周りに回転した点であることから、xxについて、nと平行な方向の成分は等しくなります。つまりx=xです。

位置ベクトルの分解 位置ベクトルの分解

よって、xxnであらわせることが分かりました。次に、xxnであらわすことを考えます。

外積n×xを考えます。外積の大きさは平行四辺形の面積でしたから、これは実はn×xと等しいです。

nxは直交していることから、次が成り立ちます。
|n×x|=|n||x|sinπ2=|n||x|=|x|
よって、xxn×xはすべて同じ大きさです。

外積ベクトル 外積ベクトル

xx方向とn×x方向に分解します。
xxのなす角はθなので、次のようになります。
x=cosθx+sinθ(n×x)

ベクトルの分解 ベクトルの分解

これで、xxnであらわすことができました。したがって、次が成り立ちます。
x=x+x=x+cosθx+sinθ(n×x)=x+cosθ(xx)+sinθ(n×x)=cosθx+(1cosθ)x+sinθ(n×x)=cosθx+(1cosθ)n|xn+sinθ(n×x)

以上でロドリゲスの回転公式が証明できました。

参考文献

[1]
松岡学, 数の世界 自然数から実数、複素数、そして四元数へ, ブルーバックス, 講談社, 2020
[2]
矢野忠, 四元数の発見, 海鳴社, 2014
[3]
今野紀雄, 四元数, 森北出版, 2016
[4]
金谷健一, 3次元回転 パラメータ計算とリー代数による最適化, 共立出版, 2019
投稿日:202255
更新日:202419
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

usami
usami
10
3370

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. ロドリゲスの回転公式
  2. ロドリゲスの回転公式の証明
  3. 参考文献