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線形代数-1-1 〜行列の定義〜

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どうも、いもけんぴぃです。

今回は初めての問題解説です。初歩の初歩なので気を楽にして取り組んでいきましょう。

目次

  • 問1
  • 問2
  • 0-0の練習問題
  • 雑談
  • 次回予告

問1

$$ 3\times 4行列 \begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} 9 & 8 & 7 & 6\\ 5 & 4 & 3 & 2\\ 1 & 0 & -1 & -2\\ \end{array} \right) \end{eqnarray}\\の第3行,第4列,(1,3)成分,(2,4)成分,(3,2)成分をそれぞれ求めよ. $$

<解説>
これは行列の定義を確認すればわかりますね。
行は横,列は縦 ですので、
第3行は
\begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} 1 & 0 & -1 & -2\\ \end{array} \right) \end{eqnarray}
第4列は
\begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} 6\\ 2\\ -2\\ \end{array} \right) \end{eqnarray}
また、(i,j)成分はi行目とj列目の交わった場所の成分なので、
(1,3)成分は7,(2,4)成分は2,(3,2)成分は0となります。

問2

(Ⅰ) (i,j)成分がiとjの最大公約数であるような4次正方行列を書き下せ.
(Ⅱ) (i,j)成分がiとjの最小公倍数であるような4次正方行列を書き下せ.

<解説>
一瞬手が止まるかもしれませんが問われていることはそんなに難しくありません。具体的に考えてみるとわかりやすいと思います。

(Ⅰ)
たとえば、(2,4)成分は2と4の最大公約数ですので、この成分は2であるとわかりますね。
さらに(i,j)成分と(j,i)成分は等しいことが分かるので、対角成分を軸に対称であり、考えるのは全体の約半分でよいわけです。こうして求めていくと、
\begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} 1 & 1 & 1 & 1\\ 1 & 2 & 1 & 2\\ 1 & 1 & 3 & 1\\ 1 & 2 & 1 & 4 \\ \end{array} \right) \end{eqnarray}
が求める行列となります。
(Ⅱ)
前半と同じように考えていくとわかりますね。
\begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} 1 & 2 & 3 & 4\\ 2 & 2 & 6 & 4\\ 3 & 6 & 3 & 12\\ 4 & 4 & 12 & 4 \\ \end{array} \right) \end{eqnarray}
となります。

0-0の練習問題

$ \displaystyle \lim_{n \to \infty}\displaystyle \sum_{k=1}^{n} \dfrac{1}{k} $ が発散することを証明せよ

これは解法が複数ある問題です。今回はそのうちの有名な2つの解法を紹介します。

  • 解法1
    解法1では、分子が等しいならば分母が大きい方が全体としては小さくなるという事実を使います。

$< proof>$

$ \displaystyle \lim_{n \to \infty}\displaystyle \sum_{k=1}^{n} \dfrac{1}{k} $

$ \dfrac{1}{1} $$ \dfrac{1}{2} $$ \dfrac{1}{3} $$ \dfrac{1}{4} $$ \dfrac{1}{5} $$ \dfrac{1}{6} $$ \dfrac{1}{7} $$ \dfrac{1}{8} $$ \dfrac{1}{9} $+$\cdots$

$1$$ \dfrac{1}{2} $+($ \dfrac{1}{3} $$ \dfrac{1}{4} $)+($ \dfrac{1}{5} $$ \dfrac{1}{6} $$ \dfrac{1}{7} $$ \dfrac{1}{8} $)+($ \dfrac{1}{9} $+$\cdots$

$\geq$$ 1 $$ \dfrac{1}{2} $+($ \dfrac{1}{4} $$ \dfrac{1}{4} $)+($ \dfrac{1}{8} $$ \dfrac{1}{8} $$ \dfrac{1}{8} $$ \dfrac{1}{8} $)+($ \dfrac{1}{16} $+$\cdots$

$1+ \dfrac{1}{2}$$\dfrac{1}{4} \times2$$\dfrac{1}{8} \times4$$ \dfrac{1}{16} \times8+\cdots$

$1+ \dfrac{1}{2} $$ \dfrac{1}{2} $$ \dfrac{1}{2} $$ \dfrac{1}{2} $$\cdots$

$\rightarrow$$\infty$

となり、証明完了です。

  • 解法2
    こちらでは$y= \dfrac{1}{x}$のグラフを使った解法を紹介します。

$< proof>$
$k \leq x \lt k+1$なる$x \in \mathbb{R}$をとる.このとき、
$$ \frac{1}{k} \geq \frac{1}{x} $$
両辺を$x$で積分する.等号は常には成り立たないので
$$ \int_{k}^{k+1}\frac{1}{k} dx \gt \int_{k}^{k+1}\frac{1}{x} dx $$

$$ \therefore\frac{1}{k} \gt \int_{k}^{k+1}\frac{1}{x} dx $$

$$ \sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k} \gt \sum_{k=1}^{n}\int_{k}^{k+1}\frac{1}{x} dx $$

$$ \therefore\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k} \gt \int_{1}^{n+1}\frac{1}{x} dx= \log_{}(n+1) $$
右辺は$n→\infty$で無限大に発散するので左辺も無限大に発散する.

これで証明完了となります。

雑談

今回は筆者の気付きを雑談としてお届けします。

この前家族に大学の様子を聞かれて、どこに座ってるかを説明しようとした時にふと思ったんです。
今までは「前から○列目の〜右から◇番目」と答えていたのですが、これって「前から○列目」ではなくて「前から○行目」のほうが適切じゃないですか?
という事をすぐに家族に話したら、病気だと言われました(泣)

みなさんが聞かれた時ならどう答えますか?

次回予告

さて、今回は行列の定義を基にした問題の解説でした。
正直、解説と言えるほどのものかは筆者自身も不安で仕方がないですが、次回以降少しずつ難しくなっていきますので一緒に頑張りましょう。

次回は1-2の問3,問4、問5の3本立てでお送りします
次回もまたみてくださいね!
じゃ〜んけ〜ん








ぱー!

投稿日:202256

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