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円周率に収束する無限級数

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初めて記事を書きます。皆さん頭のよさそうなことばかり書いているので、とてもコワいんですけれど、楽しんでいただけたら幸いです。ここでは円周率に収束するある無限級数を紹介します。

n=0(3n+2)22n+3(2n)!(2n+1)!(4n+3)!=π

どうです、なかなかすごい見た目じゃないですか。では、これからなぜこの式が成り立つのかを解説していきます。

積分漸化式を用いた変形

整数p,qに対して、次のようなベータ関数に似た関数を考えます。
I(p,q)=01x2p(1x2)qdx
ベータ関数と同様に部分積分によって漸化式を作ることができて、
I(p,q)=01x2p(1x2)qdx=[12p+1x2p+1(1x2)q]01+2q2p+101x2(p+1)(1x2)q1dx=2q2p+1I(p+1,q1)
この漸化式を繰り返し用いて
I(p,q)=2q2p+12(q1)2p+312p+2q1I(p+q,0)
ここで
I(p+q,0)=01x2p+2qdx=12p+2q+1
よって
I(p,q)=2q2p+12(q1)2p+312p+2q112p+2q+1=22q(2p)!q!(p+q)!p!(2p+2q+1)!I(n,n)=22n(2n)!2(4n+1)!I(n+1,n)=22n(2n+2)!n!(2n+1)!(n+1)!(4n+3)!=22n+1(2n+1)!2(4n+3)!

積分と和の交換

n=0I(n,n)=n=001x2n(1x2)ndx=01n=0(x2x4)ndx=0111x2+x4dx
同様に
n=0I(n+1,n)=01x21x2+x4dx
ゆえに
n=0{I(n,n)+I(n+1,n)}=011+x21x2+x4dx
右辺の積分は容易に解くことができて(面倒くさいので説明しません)
011+x21x2+x4dx=π2
です。また、
I(n,n)+I(n+1,n)=(3n+2)22n+2(2n)!(2n+1)!(4n+3)!
と変形できるので
n=0(3n+2)22n+3(2n)!(2n+1)!(4n+3)!=π
となります。

おわりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。めんどくさくなってきて説明が雑になってしまいましたが、そんなに難しくない話なので高校生の方にも理解していただけるんじゃないかと思います。この級数は積分漸化式で遊んでいた時に発見しました。僕は見たことがない式だったのであまり知られていないのでは?と思い記事にしました。まあ、あまり知られていないのはこの式が特に何の役にも立たないからでしょうけど。収束もさほど早くありませんし。単なる遊びです。これと同じ発想でもっと面白い式が見つかるのでは?と思っているのですが、なかなか見つかりません。どなたか発見して記事にしていただけたら幸いです。

投稿日:202257
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投稿者

furumichi
furumichi
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数学科でもないしロクな大学受かったわけでもないしガッコーのお勉強なんかむしろサボりまくってるけれどちょっと面白い話がしたかっただけの一般人です。

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  2. 積分と和の交換
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