空間における座標軸の数を次元という.
また座標軸が$n$本の空間を$n$次元という.
$1$点から等距離にある点の集合について
$n$次元のものを$n$次元超球という.
特に$2$次元のときは円,$3$次元のときは球
$4$次元のときは単に超球という.
$x_{1},x_{2},\cdots,x_{n}$軸をもつ
$n$次元座標空間における
半径$r$,中心$(a_{1},a_{2},\cdots,a_{n})$の
$n$次元超球の方程式は
$\sum_{k=1}^{n}(x_{k}-a_{k})^2=r^2$である.
$n$次元,超球の定義と
$n$次元超球の方程式を書きました.
これについて超球の方程式が
なぜこのようになるのかを証明します.
その前に$1$つだけ補題があるので
そちらから先に証明します.
$x_{1},x_{2},\cdots,x_{n}$軸をもつ
$n$次元空間において
座標$(a_{1},a_{2},\cdots,a_{n})$と$(b_{1},b_{2},\cdots,b_{n})$の
ベクトルの成分は
$\sqrt{\sum_{k=1}^{n}(a_{k}-b_{k})^{2}}$である.
$n=2$の場合$x_{1},x_{2}$方向に
それぞれ$|a_{1}-b_{1}|,|a_{2}-b_{2}|$の
移動量をもつため,三平方の定理より成分は
$\sqrt{(a_{1}-b_{1})^{2}+(a_{2}-b_{2})^{2}}$で成立する
$n≧3$の場合,$n$次元のときの成分が
$\sqrt{\sum_{k=1}^{n}(a_{k}-b_{k})^{2}}$であるものとして
$n+1$次元のときの成分は
$\sqrt{(a_{n+1}-b_{n+1})^{2}+\sum_{k=1}^{n}(a_{k}-b_{k})^{2}}=\sqrt{\sum_{k=1}^{n+1}(a_{k}-b_{k})^{2}}$
よって$n$次元で成立するなら
$n+1$でも成立するので
すべての$n$において題意をみたす.$\blacksquare$
補題の証明ができたので,
次は本題を証明します.
$n$次元超球の中心と超球面の間の成分は
つねに$r$となるので
$\sqrt{\sum_{k=1}^{n}(x_{k}-a_{k})^{2}}=r$
よって方程式は$\sum_{k=1}^{n}(x_{k}-a_{k})^{2}=r^{2}\blacksquare$