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線形代数-1-基礎問題-1

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どうも、いもけんぴぃです。

このシリーズでは教科書の章末問題の解説をしていこうと思います。
なお、筆者が解けない場合もあることをご留意ください。

目次

  • 1.1
  • 1.2
  • 次回予告

1.1

次のことを証明せよ.
$(1)$$AB=I,CA=I$ならば$B=C$である.

$(2)$$A$$n$次正則行列,$B$,$C$$n\times m$行列とするとき, $AB=AC$ならば$B=C$である

<解説>
$(1)$ $B$$I$を掛け算して積の順序を交換して$C$にする,定番の考え方ですので頭に入れておきましょう.

$B=IB=(CA)B=C(AB)=CI=C$

$(2)$$A$$n$次正則行列,$B$,$C$$n\times m$行列とするとき, $AB=AC$ならば$B=C$である

$A$は正則なので$AA^{-1}=I$となる行列$A^{-1}$が存在します.
これを与えられた式の両辺に左側から掛けると,

$A^{-1}AB=A^{-1}AC$

$\Longleftrightarrow IB=IC$

$\therefore B=C$

となり,示せました.

1.2

$(4) $$\begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} 0 & 0 & 1 \\ 0 & 2 & 0 \\ 3 & 0 & 0 \\ \end{array} \right) \end{eqnarray} $$A$$ \begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} 0 & 1 & 0 \\ 1 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \\ \end{array} \right) \end{eqnarray} $$=$$ \begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} 1 & 2 & 3 \\ 2 & 3 & 4 \\ 3 & 4 & 5 \\ \end{array} \right) \end{eqnarray} $を満たす行列$A$を求めよ.

<解説>
積が定義できるのは$A$$3\times3$行列のときだけなのがすぐ分かると思います.

そこで,$A$$=$$ \begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \\ \end{array} \right) \end{eqnarray} $とおいて左辺を計算して両辺の成分同士を比べます.

(左辺)$=$$\begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} 0 & 0 & 1 \\ 0 & 2 & 0 \\ 3 & 0 & 0 \\ \end{array} \right) \end{eqnarray} $$ \begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \\ \end{array} \right) \end{eqnarray} $$ \begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} 0 & 1 & 0 \\ 1 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \\ \end{array} \right) \end{eqnarray} $

$=$$\begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} 0 & 0 & 1 \\ 0 & 2 & 0 \\ 3 & 0 & 0 \\ \end{array} \right) \end{eqnarray} $$ \begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} a_{12} & a_{11} & a_{13} \\ a_{22} & a_{21} & a_{23} \\ a_{32} & a_{31} & a_{33} \\ \end{array} \right) \end{eqnarray} $

$=$$ \begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} a_{32} & a_{31} & a_{33} \\ 2a_{22} & 2a_{21} & 2a_{23} \\ 3a_{12} & 3a_{11} & 3a_{13} \\ \end{array} \right) \end{eqnarray} $

両辺の成分同士を比較して計算結果をまとめると,

$A$=$\begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} \frac{4}{3} & 1 & \frac{5}{3} \\ \frac{3}{2} & 1 & 2 \\ 2 & 1 & 3 \\ \end{array} \right) \end{eqnarray} $

となり,求まりました.

次回予告

次回は1.3の1本のみでお送りします。
次回もまた見てくださいね!
じゃ〜んけ〜ん








ちょき!

投稿日:2022527
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