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MZVの和公式から得られる超幾何級数的な等式

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ここでは以下の式を, 多重ゼータ値の観点から証明していきます.
0<nn!n2(x)n=0n1(n+x)2まず, x1xとして,
0<nn!n2(1x)n=0<n1(nx)2これをxについて級数展開することを考えていきます.
n!(1x)n=n!(1x)(2x)(nx)=1(1x)(1x2)(1xn)=0i1,i2,,inxi1+i2++inj=1n1jij=0hxh0ia, i1++in=h1111i11212i21n1nin=0hxh0<j1j2jhn1j1jh最後の変形は少しテクニカルかもしれないですね.この右辺の和は, MZSVを有限項までにした和,
ζn(k1,,ka):=0<n1n2nan1n1k1n2k2naka
をもちいて,
0hxh0<j1j2jhn1j1jh=0hxhζn({1}h)と表されます. よって,
0<nn!n2(1x)n=0<n1n20hxhζn({1}h)=0hxh0<nζn({1}h)n2=0hxh0<i1ihn1i1ihn2=0hxhζ({1}h,2)となります. もう一方の方は,
0<n1(nx)2=0<n1n20h(h+1)(xn)h=0h(h+1)xh0<n1nh+2=0h(h+1)ζ(h+2)xhよって, 示すべき式は, h0に対して,
ζ({1}h,2)=(h+1)ζ(h+2)であることになります. この左辺について考えていきます. 多重ゼータ値で表すと, h=0のときは, ζ(2)であり, h=1のときは, ζ(1,2)+ζ(3)となります. 順番に計算していくと,
ζ(1,1,2)=ζ(1,1,2)+ζ(1,3)+ζ(2,2)+ζ(4)ζ(1,1,1,2)=ζ(1,1,1,2)+ζ(1,1,3)+ζ(1,2,2)+ζ(2,1,2)+ζ(1,4)+ζ(2,3)+ζ(3,2)+ζ(5)これより, ζ({1}h,2)はweightがh+2の全ての許容インデックスにわたるMZVの和であることが分かります. これをdepthごとに考えると, 和公式から, ζ(h+2)h+1個できることになります. よって,
ζ({1}h,2)=(h+1)ζ(h+2)が成り立つことが示されました. さて, この等式,
0<nn!n2(x)n=0n1(n+x)2x=12を代入してみると,
0<n22nn2(2nn)=π22が得られます. これはarcsin2xの級数になってますね.

投稿日:2020118
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Wataru
Wataru
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超幾何関数, 直交関数, 多重ゼータ値などに興味があります

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