まずこの記事のゴールは、MZV同士の積をMZVの線形結合=和で表すことです。MZVの定義・扱いについては
こちら
とかをご覧ください。MZVの積を和にする方法として、調和積とシャッフル積という2つの方法があります。それぞれ順番に紹介します。
(この記事では「調和積」「シャッフル積」の言葉を「関係式を得る方法」として使っています。用語の濫用ですが、インデックスとかの説明を一切していないのでご了承下さい。)
まず1つ目、調和積です。これはざっくり説明すると、積をシグマの変数の大小関係で分割する方法です。とりあえず例を見てください。
もう1つ練習です。今度は
の5通りであることが分かります。
と、こうなるわけですね。
(横長になっててすいません)
実際には多変数でわざわざこんな計算はしないので、興味のある方は色々調べてみて下さい。
2つ目はシャッフル積です。簡単に説明すると、積を部分分数分解で分けるやり方です。今度も
です。とりあえずやってみましょう。手を動かしてみるのは何事でも大切です。
中々ハードでしたが、計算できました。もう1つだけ、調和積と同じく
シグマの中の変数が
下から3行目については、大小関係に気を付ければ、全部MZVで書けますね。
とても大変でしたが、なんとか計算することができました。
(横長すぎてすいません)
調和積と同じく、普通はこんな計算しないと思いますが、分かりやすさ重視です。
本当は2変数同士でも級数で計算したかったんですが、あまりに計算が大変なので諦めました。暇な人はやってみてください。
それと、この内容に関してはmathlog内でも色んな人が解説しているので読んでみて下さい。(解説していない記号が大量に出てきますが)