今回は昔(これやってみたかった笑)で書いたものをインポートしてみました。一応変になったりしたところは手直ししました。
この記事では、あの有名事実「連続n整数の積はn!で割り切れる」の証明についていろいろ考えていたときにたどり着いた、拡張のようなものを紹介します。遠回りだったり、洗練されていない表現だったりするかもしれませんが、その点はご容赦ください。
最終目標は次の定理です。
ただし、はポッホハマー記号で、のことです。
まず、連続整数の中に自然数で割り切れるものが何個あるかを考えます。始点をに選んだときのその個数をとしましょう。
p=3,n=5の例
(p=3,n=5の例)
をで割った余りをとする。のとき
であり、のとき
である。
を、右に1ずつずらしてゆく(を1ずつ増やしてゆく)ことを考える。そのときのに属するの倍数の個数は、法をとして、からになるときに1減り、からになるときに1増える。また、のときであるから、命題が成り立つ。
次の系が成り立ちます。
ここで、をで割った余りをとすると、であるから、となる。において、やは公差の等差数列をなすが、それらはだけずれている。しかしはの倍数なので、それぞれの等差数列の各項をで割った余りは並び替えの関係にあり、登場する余りやその回数は完全に一致する。したがって、上式の第2項は0になり、が成り立つ。
の中でに等しいもの、およびに等しいものの個数は、なるに渡って一定である。
とすると、かつを満たすはただ1組に決まる(実際、となる)。命題2より、このが各個数であり、によらない。
準備が整ったので、例の定理を証明します。
分母分子の素因数の個数を比較する。分子の素因数の個数は
で与えられる。分母のそれはとしたものに相当する。そこで、右辺の内側のシグマ、の値をの関数とみて、任意のでこれがで最小になることを示そう。簡単のため、と書く。において、と動くとき、は
となる。一般に、と動くときのは、この数列の第項から項おきに取り出したものである。ここで、命題3から、ならばその数列は次のような性質を満たすことがわかっている。
(が個,が個),(が個,が個),
さて、いま注目しているシグマは、この数列を第1項から第項まで足したものであるが、小さいもの()から優先して足した方が小さくなることは明らかだから、のときに最小になる。したがって、が成り立つ。これは任意の素因数を分子が分母以上に持っていることを表し、定理は示された。
こうして目的の結果を得ました。次の2つは、定理4から得られる系です。
読んでいただきありがとうございました。