近世数学史談という本ご存じでしょうか.かの高木貞治先生が書かれ,幾人もの人を数学の道へと呼び込んだと言われる数学史に関する本ですが,今回はこの本の 6 つめの話『レム二スケート関数の発見』にある,ガウスの行った計算を追ってみようと思います.まずは本文中からその部分を書き抜いてみましょう(
それから
級数の逆函数を求めることはラグランジュから学んで,計算は達者である.
まあ,「計算が達者」という次元の話なのかはさておき,ここでは「級数の逆函数を求めることはラグランジュから学んで」の部分から確認していきましょう.これは杉浦光夫『解析入門 Ⅱ』に載っています(Ⅸ 章定理 8.10)(わかりやすさのため多少書き換えています).
と表される.また
で表される.
これを用いて計算していきます.
サボります.サボる理由は
まずいのは
多分あってるはずです.
ということで,
となります.このとき,分母にくる
うむ.
ここで,カッコ内を展開したときに
となります.余談:この計算は一発で合いました.
さていよいよ本番です.
となります!やった!あとはこれを
最後に問題を出しておきます.ここまで読んだ方への演習問題です.