はじめに
こんにちは, numcaです.
この記事では私が以前ツイートした素数に関する不等式の証明をします.
問題
証明
任意の正整数は正整数と無平方数によっての形に一意的に表せる.
無平方数とはより大きい平方数で割り切れないような正整数のことです.
を素因数分解した形で
と表し, とおくと
と一意に定まる.
を正整数とするとき, なる正整数と無平方数の組はちょうど個存在する.
補題1よりを正整数とするとき, を満たす正整数と無平方数の組がちょうど組存在する.
以下の正整数はちょうど個存在するから, も組存在する.
を正整数とするとき, 以下の無平方数すべてについてのの総和はである.
なる正整数と無平方数の組の組数を数える.
無平方数を固定したとき, なる正整数は個ある. よって補題1より以下の無平方数すべてについてのの総和はの組数と等しく, 補題2よりこれはに等しい.
を正整数とするとき, 以下の無平方数はすべての約数である.
以下の無平方数はより大きい素因数を持ちえない.
よって以下の最大の素数をと表すと
と表されるから,
であり, これは整数である.
の部分の総和は補題3, 補題4よりである.
の部分の総和はすべての項がになるためである.
よって全体の総和はである.
補題5より
が成立します.
また,
が成立します.
以上より,
となり, 示されました.