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大学数学基礎解説
文献あり

函数係数微分方程式

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はじめに

今回はWikipediaにあった二階線形の函数係数微分方程式についての解説をします。
まず、二階線形型についてですが、y+p(x)y+q(x)=0には一般解が書けないと言われています。それもそのはず、解析的に解ける(yα(x)y)+β(x)(yα(x)y)=0という一階線形の合成型を考えてみましょう。
展開して、yyに掛かっている部分をそれぞれ見比べ、係数比較のようなことをしてみると、このような連立方程式が出てきます。

{p(x)=β(x)α(x)q(x)=α(x)α(x)β(x)

これをいじると、非線形項が出てきて解きにくくなります。僕はこれが二階線形の一般解が書けない理由だと考えました。今回はこれの特別な場合を見ていきましょう。

前提知識

二階の定係数が分からなくても、積分因子,定数変化法が分かっていればいいと思います。ヨビノリさんがYouTubeで動画投稿してるのでそちらをご参照ください。

注意点

・参考文献を見つけたので載せておきますが、理解力がなくて我流で解いてます。ですから厳密性に関しては注意していません。
ezexpzと書く場合があります。
Cを複素定数とします。
・解説では基本的にdydxyと書きます。他の関数も、二階微分も同様です。
・解説では線形結合で表すことを、単に「結合する」と書くこととします。

一覧

(Ⅰ)d2ydx2xP(x)dydx+P(x)y=0(Ⅱ)d2ydx2+P(x)dydxa(a+P(x))y=0(Ⅲ)P(x)d2ydx2+(a+bx)dydxby=0(Ⅳ)d2ydx2(12P(x)dP(x)dx)dydx+P(x)y=0(Ⅴ)d2ydx2(1P(x)dP(x)dx)dydx(P(x))2=0(Ⅵ)xd2ydx2+(α+βx)dydx+βy=0

これ書くのしんどすぎて、、解くのより頑張ったかも知れません(嘘)

解き方

方程式Ⅰ

yxP(x)y+P(x)y=0y=x(C1+C21x2exp(xP(x)dx)dx)

試してみると分かりますが、積分因子モドキを掛けてもうんともすんとも行きませんので、違うアプローチが必要と考えました。

解説Ⅰ

変形して、
yP(x)(xyy)=0
C1xが解であることは直ちに分かります。
定数変化法を使いましょう。
方程式にC(x)xを代入して、
xC(x)+2C(x)x2P(x)C(x)=0C(x)=Cexp((2x+xP(x))dx)
C(x)に於ける一階線形型ですから求まりました。
C1xC(x)xを結合して、
y=x(C1+C21x2exp(xP(x)dx)dx)

方程式Ⅱ

y+P(x)ya(a+P(x))y=0y=eax(C1+C2exp(2axP(x)dx)dx)

先程とだいたい同じ感じです。

解説Ⅱ


変形して、
(ya2y)+P(x)(yay)=0
C1eaxはこれを満たします。

C(x)eaxを代入して、
C(x)+2aC(x)+P(x)C(x)=0C(x)=C2exp(2axP(x)dx)

結合して、
y=eax(C1+C2exp(2axP(x)dx)dx)

方程式Ⅲ

P(x)y+(a+bx)yby=0y=C11P(x)exp(a+bxP(x)dx)dxdx+C2(x+ab)

解くのに1番時間かかりました。

解説Ⅲ


方程式Ⅰと同様に、ある解がy=0となることを仮定して話を進めましょう。
(a+bx)yby=0y=C(x+ab)
実際これはy=0を満たし、矛盾を生じません。でもこれだけじゃ不十分だと思いますが、実際解は方程式を満たします。
そして、2つ目の解ですが、定数変化法では上手く行きませんでした。理由は分かりません。(y=0から出た解だからダメ、とかも考えたんですが、それだと方程式Ⅰが解けたのは説明がつきませんね…。)

辺々微分しましょう。
P(x)y+(a+bx)yby=0P(x)y+(P(x)+(a+bx))y=0P(x)(yexp(P(x)+a+bxP(x)))=0yexp(P(x)+a+bxP(x))=C1
y=C11P(x)exp(a+bxP(x)dx)dxdx
結合して、
y=C11P(x)exp(a+bxP(x)dx)dxdx+C2(x+ab)

方程式Ⅳ

y(P(x)2P(x))y+P(x)y=0y=C1sin(P(x)dx)+C2cos(P(x)dx)

先に方程式Ⅴに挑戦してみるのがいいかも知れません。その方が易しいです。

解説Ⅳ


y=exp(f(x))を代入。
f(x)+(f(x))2P(x)2P(x)f(x)+P(x)=0
これはf(x)=±iP(x)が解です(方程式Ⅴはこれ(リッカチ型)を解くのが少し簡単)。
y=exp(f(x))に代入して結合。
y=C1sin(P(x)dx)+C2cos(P(x)dx)

方程式Ⅴ

y(P(x)P(x))y(P(x))2y=0y=C1exp(P(x)dx)+C2exp(P(x)dx)

先程と同様の手順です。

解説Ⅴ


y=exp(f(x))を代入。
f(x)+(f(x))2P(x)P(x)f(x)(P(x))2=01P(x)(P(x)f(x)P(x)f(x))+(f(x)P(x))(f(x)+P(x))=0f(x)=±P(x)
y=exp(f(x))に代入して結合。
y=C1exp(P(x)dx)+C2exp(P(x)dx)

方程式Ⅵ

xy+(α+βx)y+βy=0y=x1αeβx(C1xα2eβxdx+C2)

解法3つ見つかりました。なぜこんなに見つかるかと言うと、方程式Ⅲで試したたくさんの技をこっちで使うと上手くいったからです。
まず、解法1ですが、これははじめに出した連立方程式と同じような式を作るやり方です。

解説Ⅵ(解法1)


p,qxの関数とします。
まず、命題の左辺が
x(ypy)+q(ypy)となって欲しいので、展開してy,yの係数を比較します。
{(*)α+βx=px+q(**)β=pxpq
から、
p=qαβxxp=qxq+αx2

これをに代入。
α+βx=qx+q(1+α+βx)q2
リッカチ型ですね。片っ端から代入して調べようと思ったのですが、q=1がこれを満たしました。
(僕は非線形型のとき、定数、べき関数、指数関数、一次関数と代入して調べるようにしています。)

これをに代入。
p=1αxβ
p,qの正体がわかったので、元の方程式を解いて代入します。
xy+(α+βx)y+βy=0x(ypy)+q(ypy)=0ypy=C1exp(pxdx)y=exp(pdx)(C1exp((p+qx)dx)dx+C2)=exp((1α)logxβx)(C1exp((α2)logx+βx)dx+C2)=x1αeβx(C1xα2eβxdx+C2)

次に、解法2についてですが、結構綺麗な解き方だと思います。非線形は出てきません。

解説Ⅵ(解法2)


xy+(α+βx)y+βy=0x(yexp(α+βxxdx))+βyexp(α+βxxdx)=0x(yexp(α+βxxdx))x(α+βxxyexp(α+βxx))+βyexp(α+βxx)=0xy1(α+βx)y1+(αx+β)y1=0
ここで、yexp(α+βxxdx)=y1としました。
出てきた方程式をxで割ると、方程式ⅠのP(x)α+βxx2yy1としたものに他なりません。
y1に関する方程式が解けますから、
y=y1exp(α+βxxdx)=x1αeβx(C1xα2eβxdx+C2)

最後に、解法3ですが、先程よりスッキリした解き方です。非線形は出てきません。

解説 Ⅵ(解法3)


xy+(α+βx)y+βy=0(xy)2y+((α+βx)y)=0(xy)2y+(α+βx)y=C1xy+(α1+βx)y=C1x(yexp(α1+βxxdx))=C1exp(α1+βxxdx)yxα1eβx=C1xα2eβxdx+C2

ボツです。

ボツ


ラプラス変換で解こうとしましたが、最後ブロムウィッチ積分に書き直しても手が進みそうにないですし、諦めました。
かなり省略しますが、どなたかが解いてくださると信じて載せておきます。
xy+(α+βx)y+βy=0sL[y](s)+αL[y](s)βsL[y](s)+βL[y]=0
L[y](s)=1s(s+β)α1(C1logss+β+C2)

ちなみに、今回は出てきていませんが、オイラーの微分方程式x2y+axy+by=0をラプラス変換すると
(s22s2+(4a)ss+2a+b)L[y](s)=0
となります。
L[y](s)に於けるオイラーの微分方程式をとけ解けばいいわけですね。
宇宙ネコ 宇宙ネコ
これが例のゴールドエクスペリエンスレクイエムですか?

おわりに

いかがでしたでしょうか。Ⅳ,Ⅴではリッカチ型が二階線形に直せるという事実が背景にあるのは面白い事実です。これ以上日本語を書くのは苦手なので、ここで終わらせて頂きます。

参考文献

[1]
長島隆廣, 常微分方程式80余例と求積法による解法, 近代文藝社
投稿日:202287
OptHub AI Competition

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もっち
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