存在性) 任意のに対し, 上の線形汎関数をで定める。
なので, 上では連続なので前補題から一意に複素正則ボレル測度が存在し, を満たす。ボレル完全加法族上のスペクトル測度でを満たすものが存在することを示す。とする。内積の第一引数が持つ線形性と(*)から
がに対し成り立つ。よって補題での測度の一意性より, で, 同様にとしてである。よって, 各に対しは連続な半双線形形式より,を満たす射影が存在する。(ただし, これには一般にヒルベルト空間の間の有界作用素全体と上の連続半双線形形式全体との対応がノルム同型を与えることを用いている)においてと選ぶとよりである。
従っては射影であることを示されれば, 上補題によりはスペクトル測度となる。とする。より
よりであり, これとでの測度の一意性からである。
次にを示す。は自身と可換なので
である。よってでよりより
なので. 従って
よって, よりで, 特にゆえには射影作用素となる。とすればより任意のに対し, なので, である。射影値測度による有界可測関数の積分(mathpedia様の定義6.5参照. は6.5の*環準同型)から, (ただしに対し, 射影値測度による積分論の基本性質で
が言えて, が成り立つ。
一意性) で異なる射影値測度によるスペクトル積分を表すとする。とおく。
ここで, ゆえのと上式によってとなる。よって
同様に, なので, 上定義されたに対して実はとなる。従って
が--角谷の表現定理より言えて, よりである。最後にでを満たすものをとると今示した
から,逆に, ならば, が成り立つことはと見る。は明らかなので, 近似すれば良い。