久々の更新。今回は普段より易しめ、かつ短めの記事である。小学生(中学受験算数レベルの知識があるとよい)にも読まれることを想定し、小学校で習わない漢字・読みにはふりがなを付けている。
問題
下の問題について考えよう。なお、はギリシャ文字の1つで、「シータ」と読む。
三角形は、、角の直角三角形である。角としたとき、を示しなさい。
※ 高校生以上の方にとっては、「を示せ」と表記したほうが伝わりやすいかもしれない。解説
最初に、「三角形」を「」、「角」を「」のように表す旨をことわっておく。
準備
まずは、の直角三角形を描いてみる(この三角形が直角三角形となることは中学受験算数の常識である)。
である直角三角形を用意して、の二等分線とが交わる点をとする。同様に、の二等分線とが交わる点をとする。
すると、はの二等分線なので、となる(この性質も最近は有名である)。
を用いての長さを求めると、
である(ここからは、こういった計算の多くを省略する)。同様にして、も分かる。
いま、であるから、とは相似の関係にある。つまり、が成り立っている。
を利用しての大きさを計算すると、
が得られる。
以降、とに注目していく。
を示す
を倍に拡大し、を作る。をみたすように、上の図を参考にして直線上の4点をとる。
相似比からである。また、角度に注目するととの相似が分かるので、
となる。
と、とは点に関してそれぞれ対称な位置にあり、が分かる。
ここでの長さを求めよう。がの、がの、それぞれ二等分線となっているから、
である。いま、が簡単に分かるので、
となって、結局が導かれる。
の長さは
なので、辺上にとなる点をとることができる。とに注目すると、
より、この2つは相似である。つまり、
から、を得る。したがって、
という式を立てられて、を証明できる。やっと半分である。
を示す
を倍に拡大し、を作る。をみたすように、上の図を参考にして直線上の3点をとる。
相似比からである。また、角度に注目するととの相似が分かるので、
といえる。
さて、直線上にをみたす点をとる。角度に注目するととの相似が分かるので、
となる。ゆえに、の面積はである。
点に関してと対称な位置にある点をとし、直線に関してと対称な位置にある点をとする(図を参考にすること)。
四角形の面積をとし、の長さを求めよう。
いま、であり、とは垂直に交わっているので、
が成立する。
一方で、四角形の面積は明らかにの面積の倍であるから、
と求められる。これらを用いると、
となって、結局が導かれる。
いよいよ仕上げである。の各辺の長さは
であるから、1辺の長さがの正三角形と比較することで、と判明する。したがって、
という式を立てられて、を証明できる。
あとがき
この記事で紹介した証明方法は、
ポテト一郎
(
Twitter
)氏との共同研究で見つけたものである。
2019年の6月半ばに、筆者である
匿(Tock)
(
Twitter
)が本問を持ちかけた。それぞれで解法を用意し、お互いの解法を改良しあって、同月下旬に完成したのが上の証明、ということになる。
2人ともかなりの算数愛好家で、それゆえに議論も熱のこもったものとなった。この場を借りて、有意義なやりとりをしてくださったポテト一郎氏への感謝を申し上げる。あと記事の完成が遅れてしまってすみませんでした。今後は再発防止に努める所存です。