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Markov-Kakutaniの不動点定理

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Markov-Kakutaniの不動点定理

$ \mathfrak{X}が\mathrm{Banach}空間,\mathfrak{C}\subset\mathfrak{X}がコンパクト凸部分集合,\mathfrak{T}\subset\{T|T:\mathfrak{X\to X,}$
$Tは有界線形作用素,T\mathfrak{(C)\subset C}\},\mathfrak{T}が可換であるとき、任意のT\in \mathfrak{T}に対してTx=xとなる$
$x\in \mathfrak{C}が存在する。 $

証明

$ T\in\mathfrak{T}に対してT_n=\frac{I+T+T^2\dots+T^{n-1}}{n}(Iは恒等作用素)と定義する。\mathfrak{C}の凸性よりT_n(\mathfrak{C)\subset C} $$ またT_nは連続なのでT_n(\mathfrak{C})はコンパクト。T,S\in\mathfrak{T}ならばSとTは可換なので任意の自然数n, $$ mに対してT_nとS_mは可換である。このことからT_n S_m(\mathfrak{C})\subset T_n(\mathfrak{C})\cap S_m(\mathfrak{C})が成り立つ。(な $$ ぜならばx\in \mathfrak{C}としたときT_n S_m (x)=T_n(S_m(x)),S_m(x)\in\mathfrak{C}よりT_n S_m(x)\in T_n(\mathfrak{C})である $$ 。よってT_n S_m(\mathfrak{C})\subset T_n(\mathfrak{C})。同様にT_n S_m(\mathfrak{C})\subset S_m(\mathfrak{C})) $
$ \mathfrak{F}=\bigcap_{(n,T)\in \mathbb{N}\times\mathfrak{T}} T_n(\mathfrak{C}) とする。F\subset \mathbb{N}\times\mathfrak{T}を有限部分集合としたとき\bigcap_{(n,T)\in F}T_n(\mathfrak{C})\ne \varnothingである。 $
$ \mathfrak{C}はコンパクトなので\mathfrak{F}\ne\varnothingである。あるx\in\mathfrak{F},T\in\mathfrak{T}についてTx\ne xが成り立つ仮定する。\mathrm{Hahn-Banach}の定 $
$ 理より\phi(Tx-x)=1となる\phi\in\mathfrak{X}^*が存在する。nを自然数とする。y\in\mathfrak{C},T_ny=xとなる元 $
$ が存在する。\phi(T^n y-y)=\phi(n(TT_n y-T_nY))=n\phi(Tx-x)=nを満たす。\mathfrak{C-C}は $
$ コンパクトである。(m:\mathfrak{C\times C\to C}をm(x,y)=x-yと定義するとmは連続であり\mathfrak{C-C} $
$ =m(\mathfrak{C,C)であるため)\phi(C-C)}が有界であるため矛盾。\blacksquare $

・補足
$ 今回紹介した主張では\mathfrak{X}の位相はノルム位相であったが、弱位相を考えた場合でも全く同じ証 $
明で成り立つ。(その場合は有界線形作用素を連続線形作用素とする)

投稿日:20221218

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kasoku
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