- 周期の複素数列全体をとする.
- 上のラグ作用素をで定義する.
は加法,スカラー乗法に関する次元ベクトル空間である.
のみ示す.をの指示関数,すなわち
とする.このとき,集合はの基底である.実際
なので,の各元は1次独立であり,任意のはと書ける.
要するに,はの標準基底を周期的に拡張した集合である.
ここで
だから,写像をで定義すれば,が成立する.ただしである.
写像をで定義する.が示せれば,準同型定理よりがしたがう.また,この同型はを満たす.
を任意にとり,をで割った商を,あまりをとする.このとき,よりである.また,なのでとおける.すると
であり,はの基底だからである.つまり,なら,である.明らかにも成り立つので,である.
をで定義する.はすでに示したので,が示せればといえる.
上の同型からを仮定してよい.とし,をで割ったあまりをと書く,すると
である.
以上により,は(加法を保つ)全単射である.よって,の乗法をで定めれば,3つ組はと同型な環になる.
をとの一般項を用いて表そう.
であり,とおくと
となる.は1周期にわたる和なので,範囲をに変えてよい.よって
であり,とおくと
となる.
とする.次式で定義されるを,との巡回畳み込みという.また,はを満たす.
とする.同型写像,を用いて,をへと変えた写像をとおく.つまり
である.
写像を()で定義する.明らかに,は環準同型である.
なら,とおくとである.またなら,因数定理よりはで割り切れる.
上の命題から,写像,はwell-definedな環同型である.よって,写像をで定義すると,はからへの環同型である.実際にを計算すると
となる.これは(符号の違いを除いて)の離散フーリエ変換である.