初めまして、12匁です。
本記事は初投稿の文書なので杜撰かと思いますが大目に見てもらえると嬉しいです。また、本記事を読むうえで グラフ理論 の予備知識が必要なのでそこはご容赦ください。
証明の概略
- 平面グラフの性質
- 部分グラフとして含む完全グラフ
- 完全グラフを含まない4彩色可能
- 平面グラフの4彩色可能問題(四色問題)の証明
step1. 平面グラフの性質
平面グラフはを部分グラフとして含まないことはよく知られている。
また、を部分グラフとして含まないことも知られているが、今回の証明には登場しないので忘れてもらっていい。
また、平面グラフは頂点の個数だけ色を準備すれば彩色可能なので、"最小彩色数"が存在するはず。(最小彩色数が4以下4彩色可能)
では、平面グラフはどのような完全グラフを部分グラフとして含む(含まない)のだろうか。
平面グラフはを部分グラフとして含まないので、そこから,,も含まないことが推測できる。一応証明しておこう。
対偶をとると、"を含むを含む"となる。
そもそもはを含むので自明である。
以上より、平面グラフはを部分グラフとして含まないことが分かった。
また、"を含まない最小彩色数がnの部分グラフを含まない"である。これもしっかり証明しておこう。
対偶をとると、"最小彩色数がの部分グラフを含むを含む"となる。
最小彩色数がの部分グラフのうち最小なものをとおくと、それは"真部分グラフに最小彩色数がのグラフを含まない最小彩色数がのグラフ"となり、それはである。
よって、平面グラフは"最小彩色数が5以上の部分グラフを含まない"ことが分かった。つまり、"最小彩色数が4以下の部分グラフしか含まない"ことが導かれた。
step2. 平面グラフの4彩色可能問題(四色問題)の証明
step1で、平面グラフは最小彩色数が4以下の部分グラフしか含まないことが分かった。
ここで、"自分自身"も自身の部分グラフであることを思い出すと次の定理を得る。
これは、まさに私たちの示したかったことだ。こうやって考えることで平面グラフは4彩色可能だということを論理的に示すことができるのである。
おまけ(真部分グラフに最小彩色数がnのグラフを含まない最小彩色数がnのグラフがであることの厳正な証明)
step1で、「"真部分グラフに最小彩色数がnのグラフを含まない最小彩色数がnのグラフ"となり、それはである。」と述べたが、にわかには信じがたいことである。なのでここでしっかり証明する。
※n部グラフは2部グラフを一般化したものと思ってもらっていい
""は自明なので""のみを示す。
が彩色可能ということは、同じ色どうしを同値類に属させればは単純グラフとしていいので部グラフの部分グラフになる。
帰納法の準備
"部グラフでない部グラフ"は
"部グラフでない部グラフ"を含む
対偶を示す。("部グラフでない部グラフ"を含まない"部グラフでない部グラフ"でない)
場合分けをする。
左側が部グラフのとき
自明。(ヴェン図を考えるといい。)
左側が部グラフのとき
部分グラフとして部グラフを含むが、それらはすべて部グラフと換えられ、部分グラフとして含む部グラフが部グラフになってしまう。自身(部グラフ)は部分グラフとして含むので、「部グラフでない部グラフ」という条件を満たしていない。
以下、数学的帰納法を用いて、__真部分グラフに最小彩色数がnのグラフを含まない最小彩色数がのグラフ__がであることを証明する。
"真部分グラフに最小彩色数がのグラフを含まない最小彩色数がのグラフ"がであるということは、__最小彩色数がのグラフは必ずを含む__と言い換えられる(同値である)。
ここで、補題1より、"最小彩色数がである部グラフ(の部分グラフ)でない部グラフ(の部分グラフ)である"ので、そちらを示す。
の場合
1部グラフ(孤立点のみのグラフ)でない2部グラフは必ず辺を含むはず。よって、そのグラフはを含む。
を仮定し、を導く
部グラフでない部グラフはを含むと仮定する。
そのとき、補題3より、"部グラフでない部グラフ"は"部グラフでない部グラフ"を含むことになり、仮定よりを含むとわかる。
部グラフでない部グラフがを含むとき、(その)(のうちのどれか一つ)に用いられていない同値類をと置くと、がと完全に結ばれていないと仮定すると、と結ばれていないの頂点を同じ同値類に入れることができるため、部グラフになってしまい矛盾する。
よって仮定が間違っていることとなり、と完全に結ばれているが存在することがわかる。そしてとを完全に結んだグラフはである。
よって題意は示された。(証明終わり)
おまけなのにとても苦しい内容になってしまい、すみません。間違い等の指摘があり次第再投稿を検討します。
最後となりますが、ここまでのお付き合いありがとうございました。またどこかで会いましょう。
by 12匁