二項定理とは?
二項定理は、例えば,などの、二項の累乗の式 を展開するときに便利な定理です。
まずは定理の内容を確認してみましょう。
二項定理
自然数 に対して、を展開したときのの係数は、に等しい。すなわち、次の展開式が成り立つ。
次に具体的な例を挙げて解説していきます。
二項定理の解説
を例に考えてみます。
分配法則を用いて展開すると、
となり、例えばの項に注目すると、となる項は、、の2個です。この個数は2個の異なるものから1個選ぶ組合せの総数 と一致するため、展開式のの項の係数は となります。
この考え方を、 (は自然数)の場合に適用すると、二項定理が成り立ちます。
を展開したときの、を一般項といいます。
二項定理の使い方
例として、を展開してみます。
このように、二項定理を使うことで、簡単に二項の累乗の式を展開することができます。実際にに数値がある場合も、展開後に代入することで簡単に式を整理することができます。
参考文献
- 高専テキストシリーズ 基礎数学 森北出版株式会社 上野健爾 監修 高専の数学教材研究会 2011