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大学数学基礎解説
文献あり

位数2023の群は可換群のみである!

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明けましておめでとうございます.今年は2023年ということで,2023に関する数学の命題について書きます.

位数2023の群は全て可換群である.

証明中で「4.5.7」などと書いてあるのは,参考文献『代数学1』(雪江明彦)の命題や定理の番号を表します.

$G$は位数$2023$の群とする.その単位元を$e$とする.
$2023=17^2 \cdot7$である.シローの定理(4.5.7)を用いて,位数$17^2,7$の部分群$H,K$をそれぞれとる.$H,K$の共役部分群の個数をそれぞれ$s,t$とする.$s$$\frac{|G|}{|H|}=7$の約数であり,$s \equiv 1 \, \mathrm{mod} \,17$を満たす($\because$ 4.5.7).ゆえ,$s=1$$G \triangleright H$.同様にして$t=1,G \triangleright K$
$HK$$G$の部分群である($\because$ 2.10.3).また$H$$K$$HK$の部分群である.ラグランジュの定理の系(2.6.21)により,$|HK|$$|G|=17^2\cdot 7$の約数であり,$|H|=17^2$$|K|=7$の公倍数である.よって,$|HK|=17^2\cdot 7$となるしかなく,$HK=G$を得る.同様にして$H\cap K=\{e\}$を得る.
2.9.2により,$G\cong H\times K$である.
今,位数が素数の群は可換群である.また,位数が素数の2乗の群も可換群である($\because$4.4.4).よって$H$$K$は可換群である.したがって,$G \cong H\times K$も可換群である.

参考文献

[1]
雪江明彦, 代数学1群論入門, 日本評論社, 2010
投稿日:202318
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ことり
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