5
大学数学基礎解説
文献あり

位数2023の群は可換群のみである!

385
0

明けましておめでとうございます.今年は2023年ということで,2023に関する数学の命題について書きます.

位数2023の群は全て可換群である.

証明中で「4.5.7」などと書いてあるのは,参考文献『代数学1』(雪江明彦)の命題や定理の番号を表します.

Gは位数2023の群とする.その単位元をeとする.
2023=1727である.シローの定理(4.5.7)を用いて,位数172,7の部分群H,Kをそれぞれとる.H,Kの共役部分群の個数をそれぞれs,tとする.s|G||H|=7の約数であり,s1mod17を満たす( 4.5.7).ゆえ,s=1GH.同様にしてt=1GK
HKGの部分群である( 2.10.3).またHKHKの部分群である.ラグランジュの定理の系(2.6.21)により,|HK||G|=1727の約数であり,|H|=172|K|=7の公倍数である.よって,|HK|=1727となるしかなく,HK=Gを得る.同様にしてHK={e}を得る.
2.9.2により,GH×Kである.
今,位数が素数の群は可換群である.また,位数が素数の2乗の群も可換群である(4.4.4).よってHKは可換群である.したがって,GH×Kも可換群である.

参考文献

[1]
雪江明彦, 代数学1群論入門, 日本評論社, 2010
投稿日:202318
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

ことり
ことり
115
24800

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中