実数$\mathbb{R}$の集合の構成を全$n$回で大学数学の前提知識なしで説明していきます。ただ、数学書特有(?)の議論は普通に大学数学チックに行う(つまり、高校数学の教科書みたいな感じではないかも)のでそこらへんは読者に頑張ってもらう感じでやっていきます。あと数Iの集合の内容は流石に既知です。
$\mathbb{R}$の構成は様々ありますが次の2種類が王道だと思います。
①Dedenkind切断による構成
②Cauchy列による完備化
Dedekind切断とかCauchyとかは名前だけは聞いたことある人は結構多いと思います。個人的には②の方が演算とかがイメージできて好きです。なのでそちらで進めていきたいと思います。②の大まかな方針は
それぞれの実数($\sqrt{2}$や$\pi$)を 有理数列の極限と見做す
という感じです。即ち$\sqrt{2}$は$a_1=1.4,a_2=1.41,a_3=1.414,a_4=1.4142,\dots$みたいな有理数列$\{a_n\}$の極限と考える感じです。
整数や有理数の四則演算や大小関係は割と簡単に構成できる(究極的には難しいかも?あんま詳しくないです)のでその数列から実数を構成すれば実数の四則演算や大小関係もうまく定義できそうですよね。ただ、この方法を取ろうと思うといくつか疑問が生じます。
不安要素を挙げるとキリがないです。ちゃんと議論(確認)しないといけない点はいくつもありますね。
Cauchy列の方法で$\mathbb{R}$を構成する上で必要な知識を大きく2つの分けると
になります。これらの知識は大学で学習する数学の基礎の基礎なのですが、これさえあれば意味不明な$\mathbb{R}$も余裕で作れます。
本項の終わりに、今回の最終目標である命題(数学的事実)を記しておきます。
連続公理を満足する順序体は順序体の同型を除いて唯一つ存在する。
では次回の投稿をお待ちください。待てない方は解析入門の1章を読んでください。