素数pを表現する整数係数正定値2次形式a2+nb2=pの整数解のaとbを求める公式を作りたい。a2+b2とa2+2b2の場合の公式を求めました。
文字の約束pを奇素数とします。Fpを位数pの有限体とします。Fp×を位数pの有限体の乗法群とします。Fp2を位数p2の有限体とします。Fp2×を位数p2の有限体の乗法群とします。zはFp2の元x,yはFpの元
トレースTr(z)とノルムN(z)およびFp線形写像t(z)を下記のように定義します。
Tr(z):=z+zpN(z):=zp+1t(z):=Tr(z)2
Gを Fp2×の部分群で、|G|を位数としたとき、|G|がp+1を割りきるとします。Fp2×は巡回群のため、Gは位数のみで決まります。
G′=Fp×∩GでG′を定義します。
G′は|G|とp−1の最大公倍数に依存し、次を満たします。が偶数|G|が偶数⟹G′={1,−1}が奇数|G|が奇数⟹G′={1}
θ^:Fp×→C×は非自明群準同型と定義します。
θを下記で定義します。θ:Fp→Cx=0 ⟹ θ(x):=0 x∈Fp× ⟹ θ(x):=θ^(x)
更に次の性質を満たすと仮定します。x∈G′ ⟹ θ(x)=1
関数α′(z)を下記で定義します。
α′:Fp2×→Cα′(z):=∑gG′∈G/G′θ(t(gz))
α′(z)は、t(z)のFp線形性及び、θ(x)の仮定より、G/G′の代表元によらず定まる。
準備では次の定理1を証明します。
|s|を複素数sの絶対値としたとき。p=∑zFp×G∈Fp2×/Fp×G|α′(z)|2
関数α(z)を下記で定義します。α:Fp2×→Cα(z):=∑g∈Gθ(t(gz))
θ(x)の準同型性とt(z)のFp線形性よりx∈Fp×ならα(xz)=∑g∈Gθ(t(gxz))=θ(x)α(z)
θ(x)の準同型性より、θ(x)p−1=1のため、θ(x)は1の冪根s―を複素数sの複素共役としたとき、θ(x)−1=θ(x)―|θ(x)|2=1となり。|α(xz)|2=|θ(x)α(z)|2=|α(z)|2
θ(x)の仮定と補題2よりx∈G′ならα(xz)=∑g∈Gθ(t(gxz))=α(z)α(z)=|G′|α′(z)
α(z)の定義よりg∈Gα(gz)=α(z)
補題5よりα(z)はzG∈Fp2×/Gの代表元によらない。また補題3より|α(z)|2はzFp×∈Fp2×/Fp×の代表元によらない。そのため、|α(z)|2はzFp×G∈Fp2×/Fp×Gの代表元によらない。Fp×Gの元の個数は、|Fp×||G||G′|∑zG∈Fp2×/G|α(z)|2=|Fp×||G′|∑zFp×G∈Fp2×/(Fp×G)|α(z)|2=|Fp×||G′|∑zFp×G∈Fp2×/(Fp×G)|α′(z)|2
∑zG∈Fp2×/G|α(z)|2=∑zG∈Fp2×/G∑g,g′∈G(θ(t(g′z))―θ(t(gz))=∑z∈Fp2×∑g∈Gθ(t(z))―θ(t(gz))
zを基底(1,M)で表示すると、ただしMは Fpで平方非剰余な元z=x+yMt(z)=x以下θ(x)の定義より、x=0の場合はθ(x)=0のため、x≠0 とします。
(続き)=∑x∈Fp×∑y∈Fp∑g∈Gθ(x)―θ(t(g(x+yM)))=∑x∈Fp×∑y∈Fp∑g∈Gθ(t(g(1+yxM)))
yをx倍しても和の順番が変わるのみ、すると和がxに依存しないため。(続き)=|Fp×|∑y∈Fp∑g∈Gθ(t(g(1+yM)))
g=g1+g2Mと基底で分けると。t(g(1+yM))=t(g)+gyM−gpyM2=t(g)+(g1+g2M−g1+g2M)yM2=t(g)+yg2M=g1+yg2M
g2=0ならg∈G′g2≠0 ならg1+yg2M=y′とyを変換しても、和の順番が変わるのみ
(続き)=|Fp×|∑y∈Fp∑g∈G′θ(g)+|Fp×|∑y′∈Fp∑g∈G−G′θ(y′)第1項はθ(g)がG′で1のため|Fp×||Fp||G′|
第2項はθ(x)が非自明のため、0
(続き)=|Fp×||Fp||G′|
証明 (1) と証明 (2)を合わせて、∑zG∈Fp2×/G|α(z)|2=|Fp×||G′|∑zFp×G∈Fp2×/(Fp×G)|α′(z)|2∑zG∈Fp2×/G|α(z)|2=|Fp×||Fp||G′|p=|Fp|=∑zFp×G∈Fp2×/(Fp×G)|α′(z)|2
以上で定理1は証明された。
H:=p2−1|G|でHを定義する。τはFp2×の生成元τHf=τHpfを満たす最小の正整数f|G|とp−1の最小公倍数をlとしたとき、L=p2−1l
Fp2×/(Fp×G)≃{τn|0≤n≤L−1}α′(τn)=∑0≤k≤f−1θ(τHk+n+τp(Hk+n)2)τk+τpkはリュカ数列の性質を満たす。
pを4で割って1余る素数G:={g∈Fp2×|gp+1=1}θ(x):=(xp)(xp)はルジャンドル記号Fp∩G=G′={±1}
pは4で割って1余る素数のため、θ(±1)=1Fp×Gの元は生成元τを用いて、τ2nとあらせる。τ2p−14+1=τp+12はp−1乗すると−1なので、平方非剰余なFpの元をM用いて、τp+12=M
Fp2×/(Fp×G)≃{1,τ}≃{1,τ2n+1}≃{1,M}
α′(z)はルジャンドル記号の整数性より整数
p=α′(1)2+α′(M)2
pを8で割って3余る素数
G:={g∈Fp2×|gp+14=1}θ(x):=(xp)(xp)はルジャンドル記号Fp∩G=G′={1}θ(1)=1
Fp×Gの元は生成元τを用いて、τ4nとあらせる。p=8q+3とすると。τp2−14=τ4(4q2+3q)+2τp2−18={τ4(2q2+3q2)+1 q≡0mod2τ4(2q2+3q−12)+3 q≡1mod2
τ3p2−18={τ4(6q2+9q2)+3 q≡0mod2τ4(6q2+9q+12)+1 q≡1mod2
Fp2×/(Fp×G)≃{1,τ,τ2,τ3}≃{1,τp2−14,τp2−18,τ3p2−18}Gp=G,t(gpzp)=t(gz)よりα′(zp)=α′(z)(τp2−14)p=τp2−14p=τp2−143=−τp2−14(τap2−18)p=τ3ap2−18α′(τp2−14)=α′((τp2−14)p)=α′(−τp2−14)=−α′(τp2−14)α′(τp2−14)=0θ(−1)=−1を用いた。α′(τp2−18)=α′((τp2−18)p)=α′(τ3p2−18)
α′(z)はルジャンドル記号の整数性より整数p=α′(1)2+α′(τp2−14)2+α′(τp2−18)2+α′(τ3p2−18)2=α′(1)2+2α′(τp2−18)2
p=a2+2b2pを8で割って1余る素数G:={g∈Fp2×|gp+1=1}TをFpでの、1の原始4乗根の1つとする。xp−14にはTを用いて、xp−14=Tvとなる、vが存在する。θ(x)=(−1)vでθ(x)を定義する。
Fp∩G=G′={±1}p−14は偶数のため、θ(±1)=1
Fp2×/(Fp×G)≃{1,M}θ(M)=−1となるようにMを選べる。Mが平方非剰余でθ(M)=−−1ならM3も平方非剰余でθ(M3)=−1MとMMはFp×G剰余類で同じ剰余類に入る。
α′(z)はガウス整数
g=g1+g2M,g∈G,g1=t(g)ならば,gp+1=g12−Mg22=1を変形すると、(1g1)2−M(−1g2)2g12=1(g1=0なら両辺の平方剰余、非剰余が異なるためg1≠0)j(g)=1g1+M(−1g2g1)∈Gj(j(g))=gpよりj(g)は全単射t(j(g))=1g1t(g)−1=t(j(g))
α(1)―=∑g∈Gθ(t(g))―=∑g∈Gθ(t(g)−1)=∑g∈Gθ(t(j(g)))=∑g∈Gθ(t(g))=α(1)α(1)は整数α′(1)も整数
g=g1+g2M,g∈G,
gp+1=g12−Mg22=11+Mg22=g12
t(gM)=Mg2
任意のx∈Fp×に対して、1+Mx2は平方剰余か平方非剰余(−1が平方剰余、Mが平方非剰余なので、1+Mx2=0にはならいない。)
1+Mx2が平方剰余ならMx=t(gM)を満たすg∈Gが22個あり。1+Mx2=y2ならg=±y+xM1+Mx2が平方非剰余なら1+Mx2=y2Mより1+M1x2M2=y2x2となり、となる1x=t(gM)となるg∈Gが22個ある。1+Mx2=y2Mならg=±yx+1xMM
x∈Fp×次で関数χ(x)を定義する。が平方剰余が平方非剰余χ(x)={1 1+Mx2が平方剰余0 1+Mx2が平方非剰余
1xMはxに関して対合で不動点はない。
1=χ(x)+χ(1xM) x≠0α(M)=∑x∈Fp×χ(x)2θ(Mx)=∑x∈Fp×χ(x)2iθ(x)
α(M)=∑x∈Fp×χ(1xM)2θ(1x)=∑x∈Fp×χ(1xM)2θ(x)―(−−1.α(M)+α(M)―)=∑x∈Fp×(χ(x)+χ(1xM))2θ(x)=2∑x∈Fp×θ(x)=0最後はθ(x)の非自明性より
これにより、α(M)は1−−1の整数倍|α′(M)|2=2d2 でp=|α′(1)|2+|α′(M)|2=α′(1)2+2d2となる。
研究ノート1pを4で割って1余る素数かつNで割って1余る素数p−1Nは偶数とする。
G:={g∈Fp2×|gp+1=1}Fp∩G=G′={±1}
TNをFpでの、1の原始N乗根の1つとする。θ(x)はxp−1NはTNを用いて、xp−1N=TNvとなる、vが存在する。ζNをCでの1の原始N乗根θ(x)=ζNvでθ(x)を定義する。
θ(1)=1p−1Nは偶数ゆえに、θ(−1)=1
例3と同じ推論により、
α(1)―=α(1)α(1)は実数である。
θ(M)α(M)+α(M)―=0
θ(M)=1ならα(M)は純虚数である。θ(M)≠1ならα(M)は1−θ(M)―の実数倍である。
研究ノート2pを4で割って3余り、Nで割って1余る素数p−1Nは偶数とする。G:={g∈Fp2×|gp+1=1}Fp∩G=G′={±1}
θ(x)は研究ノート1と同じとします。
Fp×Gの元は、τ2nと表せる。Fp2×/(Fp×G)≃{1,τ}
Fp2の基底として(1,−1)が取れます。Gの定義式は、g=g1+g2−1 g∈Gならgp+1=1=g12+g22x2−1が平方非剰余なら、x=t(g)となる、g∈Gが2個ある。g=x±g2−1
x2−1が平方剰余なら、x≠0かつx2−1=y2なので、1x2−1=−y2x21x=t(g)となる、g∈Gが2個ある。g=1x±yx−1
x=±1なら、x=t(g)となる、g∈Gが1個ある。x=g
1xはxに関して対合で不動点は±1が平方剰余が平方非剰余χ(x)={1 x2−1が平方剰余0 x2−1が平方非剰余12 x2−1=0
1=χ(x)+χ(1x) x≠0α(1)=∑x∈Fp×χ(x)2θ(x)
α(1)=∑x∈Fp×χ(1x)2θ(1x)=∑x∈Fp×χ(1x)2θ(x)―α(1)+α(1)―=∑x∈Fp×(χ(x)+χ(1x))2θ(x)=2∑x∈Fp×θ(x)=0最後はθ(x)の非自明性より
α(1)は純虚数
p=4q+3M=τp+1でMで定義する。Mは平方非剰余−1=τp2−12=Mp−12=Mp−32M=M2qM
(gτ)p+1=τp+1=Mを満たす。gτ=h1+h2−1としたとき、
h12+h22=Mかつh1≠0これを変形すると。h12−M=−h22M2h12−M=Mh22h12=−(h2Mqh1)2このため、
j(gτ)=Mh1+h2Mqh1−1j(j(gτ))=(gτ)pのため、j(gτ)は全単射
α(τ)=∑g∈Gθ(t(gτ))=∑g∈Gθ(t(j(gτ)))=∑g∈Gθ(Mt(gτ))=θ(M)∑g∈Gθ(t(gτ))―=θ(M)α(τ)―Mp−1N=τp2−1Nなのでθ(M)=ζNllはNと互いに素な整数である。
α(τ)は1+θ(M)の実数倍p=|α′(1)|2+|α′(τ)|2
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