記事の練習で高校数学の方程式と不等式について軽くまとめてみました。
方程式
方程式の解
をn次の整式とする。の形であらわされる方程式をという。を満たすようなを方程式方程式の解、特にが有理数のときは有理数解、実数のときは実数解、複素数のときは複素数解という。
2次方程式
2次方程式の2解(重解も2つと数える)は
で、特にのときは
の両辺をで割って平方完成すると
となる。今の符号によらず
実数係数の2次方程式の判別式に対して
が成り立つ。したがって、D0実数解を持つ。
解と係数の関係
次方程式の個の解を文字で置くと、その基本対称式は次方程式の係数を用いて表すことができる。
(1)(2)ともに同じ係数比較による証明なので(1)の証明を行う。
と表せる。両辺の係数を比較すると
。
共役解
次の定理は実数係数の多項式において成り立つ複素数に関する定理である。
実数係数のn次方程式 の解の1つを(複素数)としたとき、共役な複素数 も の解である。
を代入すると複素数の性質から
となり、これはもこの方程式の解であることを表す。
有理数解の見つけ方
有理数解を とすると
つまり、の約数である。
同様に
であるから、の約数。
不等式
絶対値に関する不等式
を実数とする。このとき以下が成り立つ。
(1).
(2).
(3).
(3)は三角不等式と呼ばれるもので大学数学で行われる証明には時折出てくる有名な不等式である。
(1),(2)は絶対値の性質からわかることなので(3)の証明を行う。
であり、
なので。
(3)の三角不等式はとするととすればという結果も得ることができる。
相加平均と相乗平均の関係(不等式)
のとき自明であるためのときを証明する。今、相加平均と相乗平均はどちらも正であるため
となる。
のときは指数関数を利用して証明するのが簡単かと思われるのでその方法で証明していく。
のときネイピア数を用いると
という不等式を得る。とおく。 を上の式に代入すると
となる。この式のまで動かて個の式を作り、それらを掛け合わせ、の定義に注意することで
となる。両辺ともに正であるため乗根をとっても不等式の向きは同じままで、これを整理すると
を得る。
等号成立については の等号成立を考えればよく、これはのとき成立するするので各に対し指数の部分がになればよい。
したがって等号成立は、。
コーシー・シュワルツの不等式
のときは内積の定義を成分表示することで得ることができるがここでは一般の場合の証明を行う。
とする。の2次不等式
は任意の実数に対して成り立つので、2次方程式の判別式を考えることで
となる。等号成立は各のときに等号が成立するときで、。