アンミカ風に始まりましたが,言いたいのは,付値には大きく分けて3つ,加法付値・乗法付値・指数付値があるということです.わざわざ言わなくてもわかると思いますが,減法付値・除法付値・対数付値なんてものはないので気を付けましょう.それではそれぞれ定義していきましょう.以下,$K$を体とします.
$K$から$\mathbb{R}\cup\{\infty\}$への写像$v$が以下の条件を満たすとき$v$を$K$の加法付値という.
$K$から$\mathbb{R}_{\geq 0}$への写像$\varphi$が以下の条件を満たすとき$\varphi$を$K$の乗法付値という.
$K$から$\mathbb{R}\cup\{\infty\}$への写像$\nu$が以下の条件を満たすとき$\nu$を$K$の指数付値という.
一つだけ命題を証明します.
指数付値において以下が成り立つ.
特に(4)より指数付値は加法付値であることが分かる.
(1)$\nu(xy)=\nu(x)+\nu(y)$の式に$x=y=1, x=y=-1$を代入すれば分かる.
(2)$\nu(xy)=\nu(x)+\nu(y)$の式に$y=-1$を代入すれば分かる.
(3)$\nu(1)=\nu(x/x)=\nu(x)+\nu(1/x)$より分かる.
(4)$x=0$または$y=0$の時は明らかに成立するので,$x\neq0$かつ$y\neq0$を仮定する.$\nu(y)\geq\nu(x)$とすれば,$\nu(y/x)\ge 0$.すると,$\nu(x+y)=\nu(x(1+y/x))=\nu(x)+\nu(1+y/x)\ge\nu(x)$が成り立つ.$\nu(y)\ge\nu(x)$を仮定していたから,$\nu(x+y)\ge\text{min}\{\nu(x),\nu(y)\}$.$\nu(x)\ge\nu(y)$を仮定しても同様なので,これで証明ができた.
指数付値の定義は参考文献[1]を参照してこれかな~って定義したものなので,もしかしたら正式な定義と異なっているかもしれません(特に,Wikipediaとかみると別の定義になっているのでどうなってんねんという人もいるかもしれません).ただ参考文献[1]に関する記事を色々出していきたいと思いますので,その兼ね合いもあって上のように定義しました.