$A$を素イデアル,$I$を$A$のイデアルとするとき,$I$を含む$A$の素イデアルのうち極小なものは有限個である.
$X$を位相空間とする.$X$の閉集合全体の集合$\symcal{C}$が次の条件を満たすとき,$X$はNoether空間であるという.
(1) $\symcal{C}$の任意の部分集合は包含関係について極小元をもつ.
(2) $V_1 \supseteq V_2 \supseteq \cdots$を$\symcal{C}$の元の減少列とするとき,ある正整数$k$が存在して$V_k = V_{k + 1} = \cdots$が成り立つ.
定理1は次の2補題から容易に従う.
$A$を可換なNoether環とすると,$\Spec(A)$はNoether空間である.
$I, J$を$A$のイデアルとし,$V(I) \subseteq V(J)$とする.$V(I) = V(\sqrt{I}), V(J) = V(\sqrt{J})$である.$a \in \sqrt{J}$とする.このとき,$P \notin V(J) \implies P \notin V(I)$が成り立つから,$a \in \bigcap_{I \subseteq P} P = \sqrt{I}$.それゆえ$\sqrt{I} \supseteq \sqrt{J}$である.
$V(I_1) \supseteq V(I_2) \supseteq \cdots$を$\Spec(A)$の閉集合の減少列とする.ここで,$V(I_i) = V(\sqrt{I_i})$だから,各$I_i$を$\sqrt{I_i}$に置き換えてよい.このとき任意の$i$に対し$I_i \subseteq I_{i + 1}$だから,$A$のイデアルの上昇列$I_1 \subseteq I_2 \subseteq \cdots$が得られる.そして,$A$はNoether環だから十分大きい$k$に対し$I_k = I_{k + 1} = \cdots$,すなわち$V(I_k) = V(I_{k + 1}) = \cdots$となり,$\Spec(A)$がNoether空間であることが従う.
Noether空間$X$の任意の閉集合は有限個の既約な閉集合の和として表される.ここで,閉集合$V$が既約であるとは,任意の$V$より真に小さい閉集合$V_1, V_2$に対し$V \neq V_1 \cup V_2$となることである.
$V$を$X$の閉集合とし,$V$より小さい任意の$X$の閉集合は有限個の既約閉集合の和として表されると仮定すると,$V$もそうであることは自明.そして,$X$はNoether空間だから任意の閉集合の真減少列は有限で止まり,それゆえ補題が従う.