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伊藤確率論 定理3.16の証明 p.145で出てきた開集合の指示関数に収束する関数列について

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以下の部分(伊藤確率論 定理3.16の証明 p.145)が個人的に自明でなかったので示しました.

 $\dots$任意の開集合$G$の指示関数$1_G$$0$$1$との間の値をとる連続関数の列の極限としてあらわされるから,$\dots$

有界収束定理をいうための命題であることから,関数列の極限とは各点収束のことだと分かります.よって,以下のように命題を定めます.

距離空間$S$における任意の開集合$G\subset S$について,ある関数列$\{f_n\}$
$$ f_n:S\to[0,1] \ (f_n\text{は連続} \ , \ n=1,2,\dots) $$
が存在して,各点$x$
$$ 1_G(x)=\lim_{n \to \infty}f_n(x) $$

$$ f_n(x) = \min\{1, n\cdot d(x, S\backslash G)\} $$
$$ d(x, S\backslash G) = \inf\{d(x,y) \ | \ y\in S\backslash G\} $$
によって$f_n$を定める.
任意の$x, \ \varepsilon >0$に対して,

  1. $x\in G$のとき
    $G$が開であることからある$x$の近傍$U(x,\delta)$が存在して,$U(x,\delta)\subset G$.従って,
    $$ N=\left\lceil\frac{1}{d(x,S\backslash G)}\right\rceil $$
    によって$N$を定めれば,任意の$n\geq N$について$n\cdot d(x,S\backslash G)\geq 1$より,
    $$ |f_n(x)-1_G(x)|=1-1=0<\varepsilon $$
  2. $x\notin G$のとき
    $d(x,S\backslash G)=0$より,任意の$n$について
    $$ |f_n(x)-1_G(x)|=0-0=0<\varepsilon $$
投稿日:49
更新日:423
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