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東大数理院試過去問解答例(2022B07)

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ここでは東大数理の修士課程の院試の2022B07の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

2022B07

境界を持たないコンパクトな3次元C級多様体MからR4へのはめ込みf:MR4を考える。このとき任意のpR4いついて
(R1) |f1(p)|2
(R2) |f1(p)|=2を満たす任意のpについて、相異なるx,yf1(p)を取ったとき、
(df)x(TxM)+(df)y(TyM)=TpR4
が成り立つ
を満たすとする。このとき以下の問いに答えなさい。
(1) 集合
D:={(x,y)M×M|xyf(x)=f(y)}
M×M2次元C級部分多様体であることを示せ。
(2) 集合
S:={xM||f1(f(x))|=2}
M2次元C級部分多様体であることを示せ。

  1. まずC級写像
    Y:={(s,t)M×M|st}R4(x,y)f(x)f(y)
    を考える。このとき条件(ii)から0R4は正則値であるから、正則値定理よりD=f1(0)Yの部分多様体である。YM×Mの開部分集合であるから、DM×Mの部分多様体である。そしてその次元は3+34=2である。
  2. まずはめ込みは局所的に埋め込みであるから、任意の(p,q)D及びそれらのMに於ける近傍Up,Uqを取ったとき、f(Up)及びf(Uq)R4の部分多様体を定めている。ここで陰関数定理からf(p)f(Uq)に於ける近傍の局所座標(f1,,f4)を適切にとることで、f(Up)の方程式が局所的にf4=0で定義されるようにとることができる。ここでf4f(Up)f(p)の近傍で定義された関数である。このときf(Up)f(Uq)の共通部分は方程式f4|f(Up)1(0)で定義される。ここで関数f4:f(Up)Rを考えたとき、条件(ii)から(df4)f(p)x0なるxTf(p)Mが存在する。よって正則値定理から
    X={pR4||f1(p)|=2}
    R42次元部分多様体である。ここでS=f1(X)である。任意のpX及び相異なるx,yf1(p)について、互いに交わらないMに於ける充分小さい近傍Ux,Uyをとり、Vx=UxS及びVy=UySとおく。ここで任意のpXに於ける近傍Wを取ったとき、f(Ux)X及びf(Uy)XXに於いて開集合であったことを考慮すると、同相
    f:Vxf1(W)f(Vx)W
    及び
    f:Vyf1(W)f(Vy)W
    が取れる。よって任意のxSに於いてxのある近傍は局所的にpXに於ける近傍に微分同相である。よってSM2次元C級部分多様体である。
投稿日:20231030
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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

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