本記事では、タイトルにある閉集合がもとの空間の閉集合であることについて書きます。
背景以下を読んでいたところ、なかなか理解できない箇所がありました。
【Mathpedia】Hausdorff空間が局所コンパクトであることの同値な条件
それは次の箇所です。
次に、$\operatorname{Cl}_K V$ はコンパクト空間 $K$ の閉集合なので命題 9.9 によりコンパクトであるが、$X$ はHausdorff空間なので、定理 11.11により $\operatorname{Cl}_K V$ は $X$ の閉集合となる。
上記では以下のような性質を使っていると推察されますが、「どっちがどっちだったかな」と今でも混乱します・・・。
加えて相対位相への理解不足も相まって、「うーん」と長いこと唸っていました😅
まずコンパクトの定義ですが、 【Mathpedia】定義 9.2 (コンパクト性) を参考にさせていただきます。
$X$ を位相空間、$Y$ を $X$ の部分空間とする。
(1) $X$ がコンパクトであるとは、$X$ の任意の開被覆に対して、その有限な部分被覆が存在することをいう。
(2) $Y$ が$X$ のコンパクト部分集合である、または、$X$ においてコンパクトであるとは、$Y$ が $X$ の部分空間としてコンパクトであることをいう。
$X$ をハウスドルフ空間、$K$ を $X$ のコンパクト部分集合、$A$ を $K$ の閉集合とする。このとき、$A$ は $X$ の閉集合である。
$A$ は $K$ の閉集合であるから、$A = F \cap K$ となるような $X$ の閉集合 $F$ が存在する。$X$ はハウスドルフ空間であるから、$K$ は $X$ の閉集合である。よって $A$ は $X$ の閉集合である。
$A$ は コンパクト空間 $K$ の閉集合であるから、$A$ は $K$ においてコンパクトである。よって $A$ は $X$ においてコンパクトである。$X$ はハウスドルフ空間であるから $A$ は $X$ の閉集合である。
証明 2 は冒頭の引用箇所を参考にさせていただきました(参考といってもほぼそのままですが・・・)。