2つの平方数(10進数表記)を並べて新しい整数を作る.
得られる整数がまた平方数となるような性質をもつ数を見つけよ.
としてが平方数となるような整数を探すということである.
の両辺をで割るとである.
はを解にもつのでとおく.
代入すると
以外の解を求めると
より
を有理数として互いに素な整数により分数で表す.
この式を代入して
を得る.
が偶数であればとなってピタゴラス数の問題となるので
を奇数としてとおく.
をあらためてとおき
を得る.
についてが互いに素な整数とすると以下のいずれかの形で表すことができる.
(1)
(2)
ただしは互いに素な整数とする.
の形に必ずできるので
このときとが互いに素でないと仮定すると
はまたはの倍数である.
いずれの場合を考えても
の形にできる.
一方において
とが互いに素でないと仮定すると
がの倍数またはがの倍数である.
いずれの場合を考えても
の形にできる.
以上の条件の下でがの倍数であると仮定する.
は互いに素な整数なので一方がの倍数で他方がの倍数となるかどちらか一方がの倍数となる.
の場合はがの倍数となる.
の場合はがの倍数でがの倍数となる.
をで割ることのできる最大の回数をとおく.
すなわちは整数でありで割り切れないとする.
の場合はがの倍数となる.
の場合はがの倍数でがの倍数となる.
の場合
となる.
このような正の整数はである.
の場合
となる.
このような正の整数はを満たす.
の場合はがの倍数となり
の場合はがの倍数となる.
2次形式
を整数とする.
を同次2元2次形式(単に2次形式)とよぶことにする.
2つの2次形式が以下の条件を満たすとき,これらの2次形式は「対等である」という.
・整数でを満たすものが存在してを満たす.
判別式
を判別式とよぶ.
が2次形式の判別式となる必要十分条件は
である.
簡約2次形式
のときの解をとする.
がなりたつとき
を簡約2次形式とよぶことにする.
のときが簡約2次形式であるための必要十分条件は
・
である.
解と係数の関係により
よって特に
の場合
よりなのでである.
とするとに矛盾するので
である.
したがって
より
の場合
よりなのでである
が成り立つので
より
の場合の簡約2次形式を求める.
より である.
だからは偶数なので
なのでである.
のときはなのでを入れ替えればの係数は正の値としてよいのでの場合のみ考えることにするとである.
ならばより
ならばよりまたは
ならばより
したがって簡約2次形式は以下の4つである.
(1)
(2)
(3)
(4)
これらの2次形式は以下のように変形できる.
(1)
(2)
(3)
(4)
(1)(2)はと対等
(3)はと対等
(4)はと対等
任意の2次形式には対等な簡約2次形式が存在することが知られている.
整数について,を満たすような2次形式と整数が存在するための必要十分条件は,判別式をとすると,
を満たす整数が存在することである.
がの倍数のときはは偶数となるのでとおくと
となる.
整数が存在しとすると2次形式の判別式はでありのときを満たす.
逆にが互いに素な整数解をもつならばを満たす整数が存在する.
が互いに素でなければが共通の因数をもつので
の両辺が共通の因数で割りきれる.
互いに素な整数解を原始整数解とよぶことにすると
互いに素でない解は原始整数解の倍数として得られる.
そこで原始整数解についてのみ考えることにする.
2次方程式の解のひとつをとする.
を
と定めると
である.
について整理すると
よりの係数をとおくと
となる.
と変換するとより
とは対等である.
よりとなるので
したがってを満たす整数が存在する.
Legendre記号
においてが解をもつときをの平方剰余
そうでないときを平方非剰余という.
で平方剰余のとき
平方非剰余のとき
のとき
と表すことにする.
をでない奇素数とすると
よって
また
よって
したがって
ここで
となるので
となる.
ここで
よって以下の命題を得る.
を奇素数とする.
を満たす整数が存在する
を満たす整数が存在する
合成数についても考えてみると
および
より
したがって素因数がの形で表すことができれば
合成数もできる.
逆に合成数がの形で表すことができれば
奇数の素因数について
あるいは
となるのでを原始整数解とするといずれの場合も
が成り立つ.
したがって
(命題5)
を正の整数とする.
- を満たす整数が存在する
の素因数が - を満たす整数が存在する
の素因数が
の場合
例1の1と2はこれらの式より得られる.
が偶数の場合は両辺をで割ることができる.
がの倍数の場合は両辺をで割ることができる.
そこでの倍数でない奇数だけを調べると
の場合
をの形で表すことはできない.
例1の3はこの式より得られる.
の場合
の形で表すことのできる奇数は
ただし例2で考察したように
の場合はがの倍数となり
の場合はがの倍数となる必要がある.
この観点から解を探索すると以下の解が見つかる.
これらの式より以下の等式が得られる.