0

可分距離空間の部分集合が可分であることの証明

546
0

※本記事は, 既に別所で投稿した内容 をMathlogのために書き直したものです.

本記事の目的

本記事では,次に示す命題の証明を与える.

(X,d)を可分距離空間,AXの部分集合とする.このとき,Aは相対位相に関して可分である.

以下,r>0,xXに対してBr(x)={yX:d(x,y)<r}と定める.

命題の証明

EXの可算稠密部分集合とする.このときB={B1n(e):n=1,2,;eE}は可算であり,かつ任意のxXおよびxを要素に持つXの開集合Uに対してxB1n(e)Uを満たすB1n(e)Bが存在する.

任意のxXおよびxを要素に持つXの開集合Uに対して,開集合の定義より,xBr(x)Uを満たすr>0が存在する.よって,特にrN>1を満たすNNに対してxB1N(x)Uが成り立つ.一方,EXの稠密部分集合であるからEB12N(x)である.そこで,eEB12N(x)をひとつ選ぶとd(e,x)<12NよりxB12N(e)である.さらに,任意のyB12N(e)に対して
d(x,y)d(x,e)+d(e,y)<12N+12N=1N<r
よりyBr(x)UすなわちyUである.よってxB12N(e)Uが成り立つ.

そこでBA={BA:BB}と定めると,BAは可算であり,かつ任意のaAおよびaを要素に持つAの開集合UAに対してaBaUAを満たすBaBAが存在する.

aUよりaB1n(e)Uを満たすB1n(e)Bが存在し,このときaB1n(e)AUAである.

空でない各BBAに対してaBBをひとつ選び,D={aB:BBA}とおく.このとき,DAの可算稠密部分集合である.

任意のaAおよびnNに対してaBa(n)B1n(a)Aを満たすBa(n)BAが存在する.そこで,各nに対してBa(n)に対応するDの元をanとすれば,anBa(n)B1n(a)Aゆえ点列{an}n=1aに収束する.

以上より,A は相対位相に関して可分である.

投稿日:20201110
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

電気魚
電気魚
25
31469

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中