0

【Causality備忘録】Almost Causal relation

57
0

 これは私の備忘録なので、まとまってないし読まないほうがいいです。随時加筆します。

 因果構造の分析においてchronological relation I±やcausal relation J±は基本的ですが、古典物理においても以下のように少々不満な点があります。

  • 物理的な観点からは時空点というのは近傍を小さくした極限的な概念でしかない
  • どんな測定もただ一つの時空点で行われることはありえない
  • 従って、どんな実験も時空点x,yが因果的に関与しているかしていないのかを判断することはできない

 これらのことから導入されたのがalmost causal relationです。この記事の目的はalmost causal relationを基本事項をまとめることです。

almost causal relationの定義

almost causal relation

 時空(M,g)において、p,qMに対して、pqほとんど因果的に先行する(p almost causaly preceeds y)とは、pの任意の近傍がqの任意の近傍に含まれる点(少なくとも一つ存在すればよい)に対して、chronologicalに先行していることである。
 すなわち任意のUp,Vqに対して、あるpU,qVが存在し、qI+(p)を満たすときを言う。このときpAqと書く。

 pAqの同値な定義として次がある。

pAqであるとは、任意のpI(p)に対して、I+(p)I+(q)となることである。
(または任意のq+I+(q)に対して、I(q+)I(p)と定めても同値である。)

同値であることの証明
定義1定義2
任意のpI(p)に対して、I+(p)pの近傍である。同様に任意のq+I+(q)に対して、I(q+)qの近傍である。定義1よりpI+(p), qI(q+)があってp<<qとなる。よって、p<<p<<q<<q+となるからI+(p)I+(q)である。I(q+)I(p)も同様である。

定義2定義1
pの任意の近傍をUとし、qの任意の近傍をVとする。pI(p,U)に対して、I+(p)I+(q)であるから、I+(p)I+(q,V)であるから定義1が成り立つ。

almost causal relationの基本性質

yA+(x)xA(y)

自明

A+(p)は閉集合である。

{qn}A+(p),qnqとする。
任意のq+I+(q)に対して、qnI(q+)(for large n)である。
任意のpI(p)に対して、p<<pn<<q+であるから、I+(q+)I+(p)である。

int(A+(p))=↑I(p)

int(A+(p))⊃↑I(p)は明らかである。
int(A+(p))⊂↑I(p)を示す。
qint(A+(p))とすると、qUA+(p)となる近傍Uが存在する。qI(q,U)A+(p)を取ると、任意のpI(p)に対して、I+(q)I+(q)I+(p)となるからq∈↑I(p)である。

点列{pn}I(p), pnpに対して、
A+(p)=n=1I+(pn)=n=1J+(pn)

A+(p)n=1I+(pn)を示す
yn=1I+(pn)とすると、yI+(pn)である。よってI+(y)I+(pn)である。xI(p)に対して、I+(x)pの近傍なので、pnI+(x) (for large n)である。よってI+(y)I+(pn)I+(x)なのでyA+(p)となる。

A+(p)n=1I+(pn)を示す
qA+(p)に対して、I+(q)I+(pn)である。よってI+(pn)={xM; I+(x)I+(pn)}であるから、qI+(pn)である。

投稿日:2023411
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

Submersion
Submersion
98
30082
専門は相対論やLorentz幾何です。Einstein系の厳密解の構成や接触幾何の応用などの研究をしています。Ph.D保有者の中ではクソ雑魚の部類です。

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. almost causal relationの定義
  2. almost causal relationの基本性質