$n!+1=m^2$となる自然数$n,m$の組はブラウン数というらしいです(出典はwikipedia)
これは$(4,5),(5,11),(7,71)$以外に存在するでしょうか?
まずはABC予想を示します。
任意の正の$\varepsilon\gt 0$に対して以下の条件を満たす自然数の組$(a,b,c)$は有限個である
ただし、$n=\prod_{i} p_i^{r_i}$に対して、$\mathrm{rad}(n)=\prod_{i} p_i$である。
言い換えると、任意の正の数$\varepsilon \gt 0$に対して、ある$K\gt 0$が存在して、
任意の$(a,b,c),a+b=c,\gcd(a,b,c)=1$について$c\leq K \mathrm{rad}(abc)^{1+\varepsilon}$が成り立つ
なお、ABC予想の証明は省略します。
ここで、$n!+1=m^2$ならば$n!,1,m^2$は互いに素であるため,ABC予想を適用できる。
つまり、
$$m^2\leq K\cdot (\mathrm{rad}(n!)\cdot \mathrm{rad}(m))^{1+\varepsilon}$$
ここで、$\mathrm{rad}(n!)=n\#$と書くことができる。$n\#$というのは素数階乗である。つまり、
$n\#=\prod_{p\leq n,p:\mathrm{prime}} p$である。例えば$10\#=2\cdot 3\cdot 5\cdot 7=210$みたいな感じ
で、Wikipediaを見ると、$n$が十分大きいときに$n\#\approx e^n$らしいです。で、$m\approx \sqrt{n!}$なので、うまい具合に$e^n$を$m$で表そうということになります。
スターリング近似を使うことで、$2\log{m}\approx n\log{n}-n$となります。
で、$n\log{n}-n$の逆関数はランベルトの$W$関数を使うと
$$n\approx \dfrac{2\log{(m)}}{W(2\log{(m)}/e)}$$
で、Wikipediaを見るとランベルト関数は$x$が十分大きいときに$W(x)\approx \log{x}$と書けるらしいです。
なので、
$$n\approx \dfrac{2\log{(m)}}{\log(2\log{(m)}/e)}$$
係数が邪魔なので
$$n\approx \dfrac{2\log{(m)}}{\log(\log{(m)})}$$
とします。分母が定数オーダーだけずれるだけなので多分問題ないでしょう。
よって、
$$e^n \approx m^{\dfrac{2}{\log{\left(\log{m}\right)}}}$$
となります。
結局、ABC予想から生成される不等式は
$$m^2\leq K\cdot m^{(1+\varepsilon)\left(1+2/\log{\log{m}}\right)}$$
両辺を$m \gt 1$を底とした対数を取ると以下のようになります。
$$2\leq (1+\varepsilon)\left(1+\dfrac{2}{\log{\log{m}}}\right)+\log_m{(K)}$$
$\varepsilon$を十分小さく取った状態で、$m$を十分大きな値に設定すると不等式が崩壊します。
($m\to\infty$で右辺$\to 1+\varepsilon \lt 2$なので)
つまり、十分大きな値$m$について解がないので、解は有限個であるとわかります。
あとは伝家の宝刀†全探索†をすることによって、解が上記の3つしか無いのでは?というような気分になることができます。
だれかABC予想を示してください
あと、ガバガバお気持ち数学でごめんなさい